プロフェッショナル

将棋はやらないのですが、真夜中のNHK「プロフェッショナル」で森内名人と挑戦者羽生二冠、名人戦の模様を見ました。勝ちが決まるときに羽生さんの手が震えるのが印象的でした。20代で七冠を達成し目指すものを失っていた天才が、なりふり構わず勝ちに行く姿は感動的でした。オリンピックで金メダルをとった選手がもう一度挑戦するようなものなのかなあと思いながら「あきらめてはいけない」とか「謙虚に努力をしないと」とか月並みなことを考える自分でした。

ワーキングプア」−いくら働いても報われない時代が来る−  角倉貴史著

私が大学生の頃、未来は明るいと皆で思っていました。家は裕福ではありませんでしたが、一生懸命働けば、そこそこの生活はできるだろうと単純に信じていました。

本書を読んで薄々は気づいていましたが、現在の状況に驚きました。個々人のドキュメント「55歳、元SE。年収800万円から路上生活者に」「31歳。障害者施設職員。周囲との格差うんぬんは気にしない」等々、考えさせれれます。非正規雇用から正規雇用への道を大きく開くことは結構だが、企業の存続はどうなるのか? 消費税はワーキングプアにさらなる苦境を与えるかもしれないが、国家財政はどうなってしまうのか? セーフティネットを強めることによってモラルハザードやフリーライドの問題が起こるのではないか? 明日は我が身と思いつつ読了。「金持ち父さん 貧乏父さん」とか「自己責任」とかあまりいい響きではないなあ…