麻生太吉

麻生政権が誕生しました。昔、荒俣宏の「帝都物語」を読んで大ファンになり数多くの著作を読みました。その後オウム真理教の事件があり、荒俣氏の本はほとんど捨てましたが、1冊だけ「黄金伝説」を残しました。そのなかに麻生太吉「黒ダイヤ王の大いなる遺産 炭坑王」の章があります。昨日、寝る前に再読しました。

筑豊、飯塚一帯の庄屋のせがれ、麻生太吉は、山師になり、苦難を乗り越えて大成功し、病院を建て、銀行をつくり、地域の発展に大いに尽くしたという内容です。明治末期には関門海峡に橋を架ける大計画を企てていた豪傑で、石炭産業が衰退する前にセメント事業に乗り出し、会社を存続させた立志伝中の大人物です。政友会にも出入りし、太吉の孫の太賀吉が吉田茂の娘婿になり、生まれたのが現総理大臣麻生太郎氏です。麻生太吉のモットーは「程度大切、油断大敵」だそうで、これが経営のコツだったのでしょう。

昨日、小泉元首相が引退表明いたしました。歌舞伎や宝塚大好きな人らしく「見栄を切った」彼らしい行動です。「散りぬべき 時知りてこそ 世の中の 花も花なれ 人も人なれ」。世襲批判もありますが、一応引き際の美学ですね。