テクノヘゲモニー

世界中で株価が暴落しています。サブプライム問題が原因だとされています。これから世界、日本はどうなるのだろうか?不安になってきました。

思い出して、日本のバブル崩壊前1990年に出された「テクノヘゲモニー」(薬師寺泰蔵著)を拾い読みしました。本書は私が読んだ新書でナンバーワンとは言いませんがかなり上位ランクの本です。ヨーロッパの歴史を技術移転(エミュレーション)で読み解いています。「国家は技術によってヘゲモニー(覇権)を勝ち取り、技術によって失う」興味深い論です。パクスブリタニカ(英国の覇権)からパクスアメリカーナ(米国の覇権)への転換も技術移転が起因していることを詳細に分析しています。この論によれば、今回の恐慌で覇権は変化しないことになります。日本はどうすればよいのか、覇権国家になる必要はないでしょうが、チベットにはなりたくありません。対症療法ではなく考える必要があるでしょう。

もし技術がキモならば、現在、研究論文の数が世界2位から5位に転落していることに注目しなければなりません。資源のない日本は人財で勝負するしかないのに、頭脳レベルで負けているようでは明るい未来は開けないかもしれません。4人のノーベル賞受賞者は老齢でした。昔輝いていた国、中国のとなりの小さな国になるのか、まだ諦めてはいけないと思います。

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