下流大学

三浦展さんの「下流大学が日本を滅ぼす!−ひよわなお客様世代の増殖」を読みました。抱腹絶倒ののちに意気消沈。新卒面接を15年以上実施していますが、年々幼児化しているのは事実です。AO入試入学者の実態は「嘘つきばかり?」だそうです。大学にまでモンスターペアレントの影響が出始めているようです。企業人事部の対抗策は「地方公立高校出身者の方がよい」「なにかをやり通したことが経験がある方がよい」「三流校でもトップは優秀」などでした。


…今いわれている格差のひとつの根本には、生活能力の格差があるんじゃないかと思うわけだ。昔は東大に行くようなお坊ちゃんは、勉強ばかりして、何でも母親任せで、マザコンで、もやしみたいで、運動が苦手で、生活能力がない。それに対して、中卒、高卒で働いている人は、生活能力も体力も勝っているというイメージがあった。ところが現代では、「下流」の人ほど学歴がなく、所得が少ないだけでなく、基礎的な生活能力も体力も低く、だからこそ定職につけないということになってるんじゃないかということだ…(P.221)

必ずしもそうとは言えないと思いますが、大学に入る能力も意欲もない人が4年間のモラトリアムを続けるとその後の人生に大きなマイナスになるかもしれません。被害者は若者です。それは著者がはっきり断言しています。東大は今年から、親の年収が400万円以下の学生に対し学費を全額免除しているそうです。貧乏が世代連鎖しないような社会にしなければなりません。若者の40%が歌手やミュージシャンになりたいというのは歪んでいます。

下流大学が日本を滅ぼす! (ベスト新書)

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