池田信夫氏「イノベーションセミナー」 3

池田信夫氏の3回目のセミナーを聴きました。昨日も刺激的な内容でした。冒頭より、原口総務大臣の「光の道」の批判から始まり、孫さんの本当の意図を教えてくれました(ここには書けない)。モバイルネットワーク(ケータイ)が世界に与えたインパクトの大きさを理解しました。新興国の破壊的イノベーション恐るべし。心して2000ドルの自動車、70ドルの冷蔵庫を考えなければいけません。economist誌のspecial report「The world turned upside down」(Apr 15The 2010)を紹介して、「私が予想していたよりも早くすすんでいる」とのコメントがありました。備忘します。


新興国イノベーションに注目すべき現象が起きている。すなわち「質素のイノベーション」である。価格の破壊的イノベーションだけでなく、貧しいインフラでありながら、乗り越えていくイノベーションが起きている。

新興国でサービス業のイノベーションが起きている。インドで2万円のCTスキャナーが使われている。価格は3桁違う。

新興国ではケータイを利用して工場なしで生産するシステムがうまくいっている。コングロマリットが成功している。

医療の需要が高く、サービスの大量生産が盛んである。先進国は、医者のギルドの力で高価格になっている。移動型の診療所など、医療はイノベーションの宝庫かもしれない。モバイルがイノベーションのエンジンである。

中国やインドの製品を「おもちゃ」と笑ってはいけない。かつて米国は日本の自動車を笑ったがトヨタに落とされた。米国人は新興国に学ぼうとしてる。日本は笑っている。

ブラックスワンは突然にあらわれる。リーマンショックは予想できなかった。予想がつくものを「リスク」できないものを「不確実性」とする。不確実性は母集団が存在しないので確率計算ができない。イノベーションは不確実、突発的な事象である。

ロシア国債の破綻→株式は突発的なことで儲かる。

発見の論理、仮説を見つける方法はない。試行錯誤あるのみ。結局は企業統治の問題で、経営者の問題になる。

イノベーションフレームワークゲシュタルト)からどう飛び出すか、錯覚に気づくかである。

人々がものを買うのは「習慣」だ。経済行動は損得が主ではない。

第5世代の研究を通じて得た結論は人工知能が不可能だという証明が出来たことである。アルゴリズムで人間をあらわすことは不可能である。

バイル、ケータイがイノベーションの重要なポイントである。オフィスもいらない、超分散型をになっていく。

中国、米国は突出した人材を育てる、日本、欧州は平均的なレベルアップを指向している。

ipadは日本で年内に100万台は売れるだろう。目の悪い老人とyoutube利用者に買われる。

日本は価格イノベーションではなく高性能イノベーションをめざすべきだ。

日本の教育の問題は大学教育にある。3流私立大学は終わっている。大学にいくのではなく専門学校に直接入学した方がよいが、大企業が大卒を応募要件にしているので、肩書きのために4年間をムダにしているのが実態だ。