池田信夫先生「イノベーションの法則」 第4回

イノベーションセミナーの第4回目を聞きました。冒頭、現実は事例の宝庫だという話があり、すでにメルマガで概要は配布されていましたが、後半は孫正義さんの事例を取り上げるとのことでした。

前半のIT業界のイノベーションの歴史は、知らないことがあり、大変興味深くお聞きしました。後半、孫さんの成功が実にきわどい勝利であったこと、イノベーターと言われる人々は常人ではないことを知りました。クレイジーというか、アニマルスピリットというか、そんなものが必要で、「ベンチャーキャピタルはプランを見るのではなく人を見ている」というのが印象的でした。先生によれば歴史を学ぶことにより試行錯誤の回数は減るようなので、諦めずにチャレンジします。備忘します。


ITイノベーションの歴史。ENIACIBM System/360(1964)の意味。「コンピュータは発展するとsystem360に近づく」「コンピュータの本質は複雑な仕事を単純に変えることだ」ブルックスの法則 「納期が遅れたからと要員を増やせば、完成はさらに遅れる」

オブジェクトオリエンテッド(モジュール化)オペレーティングシステムを採用

このときの構造が現在のコンピュータの基礎であり、もしこの天才がでなければ今の世の中になっていないかもしれない。

インテル4004(1971)日本のビジコン社の発注、6万ドルで権利をインテルに売却。その後のマイクロプロセッサの権利はインテルに。7万ドルで買っていれば大儲けできた。

IBM-PC(1981) 要員も金もないので少人数で開発→大当たり。オープンアーキテクチュアの考え方をとるしかなかった。モジュール化してBIOSだけを押さえたが、フェニックス社に模倣され、バイオスの独占に失敗。IBM没落する。

携帯電話の発明は1940年であり、ATTの妨害により製品化が遅れた。

イノベーションにとって技術は必要条件ではあっても十分条件ではない」

1991 インターネット夜明け WWW 1993 モザイク により爆発

イノベーター アンディグローブ・ゴードンムーア(インテル) スティーブジョブス・ウオズニアック(アップル) ビルゲイツマイクロソフト

日本のイノベーター 西和彦孫正義山内溥任天堂久多良木健(プレステ)柳井正ユニクロ

アンディグローブは結構成功していた。ジョブスはガレージ開業、ビルゲイツは間違いの少ない天才だ。

西さんと孫さんは似ている。両者とも人の言うことを聞かない。孫さんの方が感情を表に出さない。

西さんはつまらないことでビルゲイツと喧嘩して3兆円損した。どんな失敗も失敗ではなく思える。孫さんも時価を20兆円減らした。二人ともクレイジーだ。

Yahoo!BBは当時絶対失敗する事業だった。→ITバブルの余剰資金をインフラに使おうとしたが、ADSL事業は崩壊後に参入。新技術はあったが、まだ実績のない技術を採用した。危険な賭けだった。運がいいことに米国からの外圧で規制が解消、NTTの妨害が少なかった。実にきわどい成功であった。

今後の戦いはプラットフォーム競争になる 「無線」対「有線」