会社が黒字になるしくみ

「会社が黒字になるしくみ」(坂口孝則著 徳間書店刊)を読みました。あまりに易しくて、つまらない本だと思いました。しかし、読み進んでいくうちに、難しい内容を易しく説明する著者の力量がわかってきました。飽きさせない力量もわかりました。特に「フリー」の解説は出色です。ともかく良書です。特に経済に疎い管理職が、短い時間で「経済」を俯瞰するには最適の書籍です。新聞やテレビのニュースを聞いたときに、今までと違った意見になるかもしれません。実際、中間管理職と仕事の話をしていると、「円安」「デフレ」「金利」について基本的なことを説明しなければならないことがよくあります。経済常識のレベルをもう少し上げないとビジネスの会話が成立しなくなるような怖れを抱きます。それでは備忘します。

知らないと恥ずかしいビジネスのキホン 会社が黒字になるしくみ

知らないと恥ずかしいビジネスのキホン 会社が黒字になるしくみ


…商売が成立するには「自分が売る商品をほしがってる人を見つけて、その人に提供してあげること」(p.3)

「他人よりも安く売ること」…「誰も売っていないものを売ること」(p.24)

価格の決め方には二通りあります。「原価主義」と「非原価主義」というものです。(p.28)

…安く買ってきてコストを抑える。そして、高く売れるところで販売する。これだけです。(p.33)

在庫確認は…社員の仕事を止めて実施されるほど重要性を持ったものなのです。(p.106)

ポイント制は売上に悩む小売業の苦肉の策という観点も忘れないほうが良いでしょう(p.143)

(無料化が進む理由は)…「限界費用がゼロ」あるいは「追加コストがゼロ」ということになります。(p.159)

フリー商品の必須条件:無料だからクオリティが低くても大丈夫ということはなく、むしろクオリティが求められる(p.163)

…「デフレ」とは、その商品の存在自体が危険水準に入ったころを意味する…生産する品目の見直しを、強く迫る一つの「兆し」なのです。(p.177)

そもそも消費行動というものは「他人とつながるため」だったのですから、商品を介さずに直接的に友達とつながる手段があるのであれば、商品なんていりません。(p.188)

…市場が価値を認めるものこそが、価値の高いものだということです。(p.217)

何かのジャンルで成功したかったら「人と異なる行動を取れ」というシンプルなことです。(p.220)

稼ぐということは、いまでは生きていく、ということと同義です。とするならば、自分だけの価値を社会に拡げていくこと、独自の稼ぎ方をしていくことは、愉しい「生」につながっていきます。(p.223)