池田信夫先生「イノベーションの法則 第8回」

今年の4月から5月にかけて8回シリーズ「イノベーションの法則」セミナーに参加しました。最後の講義を備忘し忘れていましたので、遅ればせながらアップしておきます。5月27日分です。講義のあと、セミナー会場そばの洋風居酒屋に連れて行ってくれました。何と、全部先生が奢ってくれました(銀座のど真ん中ですよ!)。高い講義料(8回で5万円、夜、1回2時間程度)でもないのに…「会費をとっても誰も文句言わないのになあ」と思いながら酔っ払ってしまいました。それにしても30人位、出席していたので、随分な出費でしたでしょう。池田先生、大変申し訳ありませんでした。知的刺激に満ちた素晴らしいセミナー、本当に、ありがとうございました。備忘します。


希望を捨てる勇気―停滞と成長の経済学

希望を捨てる勇気―停滞と成長の経済学


…今までは企業の側から分析してきたが、本日は制度とか環境の問題をお話ししたい。公明党民主党と組むでもなく、自民党でもない、今日、大田代表を含む国会議員6名と経済議論をした。「小さな政府」に納得していたが、公明党は路線がブレている。つい短期マクロ政策ばかりの議論になる。長期的にはイノベーションが必要であることを伝えた。

知的財産権の問題について、すべてがオープンなのはよくないが、ガチガチに規制するのもよくない。ジャスダックの行っていることは有害無益である。コンテンツは流通しなければ富は生まない。オープンのふりをしてクローズで儲ければよいのであって、警察を使うのは良くない。錯覚で知的財産権を守ることが大事。

民主党のターゲット論は成功しない。過去、官主導の産業振興はほとんど失敗であった。日本のITゼネコンフレームワークの中では成功するが、フレームワークの変化に弱く、フレームワークパラダイムを生み出す力はない。イノベーションはギャンブラーの感覚が必要だ…ジョブスは嫌な奴だが、こだわりと偶然で成功した。日本の会社はこだわりと、コンセプトが不足している。

クラウド化が未来ではなく、再び分散のアーキテクチュアに向かうだろう。家庭のHDレコーダーが分散型記憶媒体の中心になるかも…

良いモノを安く作るという製造業的な考え方ではダメだ。

団塊の世代が若者を収奪している図だ。しかし、問題は分配の問題ではなく、パイを大きくすることだ。投資、イノベーションが必要になる。

政府はイノベーションを起こすことはできず、環境をつくることもできない。日本で数少ない成功はロボット産業で、このときはお客に金を出した。供給側に金を出してもうまくいかない。

女性が社会進出できるよな「保育バウチャー」の考え方を取り入れるべきだ。これにより労働人口減の対抗策とする。

日本人はリスクが嫌いなので、ハイリスクビジネスが困難である。また政府の過剰規制により官制不況を招いている。政府にできることは規制改革(緩和)、税制改革が主でありエコポイントは経済学的には無意味である。

経済を成功させるには社会学を知り、哲学をもたねばならない。