文学研究という不幸

「文学研究という不幸」(小屋の敦著 ベスト新書刊)を読みました。笑えます。「文学部唯野教授」を読んでいれば、なお、面白いと思います。著者の博覧強記と引かれ者の小唄の如き論説に引き込まれてしまいました。実に、悪口は興味深い。

ひとつ、気になった部分がありました。


…それから後になると、フランス文学奥本大三郎(1944-)が、1988年、43歳で横浜国立大学を「学生がひどすぎる」と言って辞職したことがある。ところが、2年後に埼玉大学教授になったので、みな不思議に思ったものだ。(p.48)

多分、1977年頃、私は、奥本講師の講義中におしゃべりをして、怒鳴られ、教室から追い出されました。単位もいただけませんでした。「だって面白くないいんだもん」 そんな、ふざけた学生に嫌気がさしたのでしょう。奥本先生、遅くなりましたが、お詫びいたします。「誠に申し訳ありませんでした」

この本を読んで学者には、なるものではないと思いました。


文学研究という不幸 (ベスト新書 264)

文学研究という不幸 (ベスト新書 264)