大往生

私のメンター桐原元氏のお父上が身罷り、水戸市斎場で神式の葬儀に参列しました。102歳の大往生です。30数年前にお会いしたことがあります。何を話したか、記憶にはありませんが「暖かい」印象だけが残っています。

約5年ぶりに桐原氏と奥様にお会いし、桐原氏の姿と、挨拶をお聞きして、感激いたしました。ご挨拶を備忘します。

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…死ぬ前日は大変元気でお見舞いの人たちに、笑顔で手をにぎりかえしていた。当日は意識もなく、死と生が重なり合うように静かに逝った。

父親は水戸の中学をでて、戦前、朝鮮にわたり、リンゴ栽培の研究と栽培を行い大成功した。大阪の品評会で特賞をとり、当時、そのリンゴを空輸した。他のリンゴの2〜3倍の価格で、送る前に全てが売れている状態であり、順風満帆の生活であった。しかし、終戦とともに、すべての財産を没収され、着の身着のまま、7人の子供を連れて帰国。特に昭和20年代は定職もなく、きつい仕事、汚い仕事で生計を立てていた。しかし、持ち前の努力を重ね、農協の役員の職を得て、再び成功への道を歩んだ。

私たち兄弟全員の努力を合わせても父の努力に及ばない。私たち兄弟は父の誠実な態度を学び、それが生きていく力となっている。

あと、20日ほど生きていれば母との結婚も75年を迎えることができた。これからも残った母を支え、幸せな人生を送らせたい。今後ともよろしくお願いする。

後輩の大塚君の運転で水戸市斎場まで行きました。道すがら、桐原氏の昔話で盛り上がりました。「失敗をして怒られたことはない、何もしないで怒られた」私にとって桐原氏以上の恩人はいません。私の人生の師であり、目指す人です。今日はお会いできて本当によかったと思います。