食える数学

「食える数学」(神永正博著)を読みました。1週間ぶりの通読です。「数学」は学生時代、得意な科目でしたが、今は、ほとんど忘れてしまっています。でもよく理解できました。多分、不得意でも理解できると思います。「数学」が仕事に役立つことを述べています。スイカの暗号やバーコードが「数学」の応用だそうです。特に興味深かったのは、「つながり」を表現する「グラフの考え方」です。点「ノード」とつなぐ線「エッジ」からなる図形が「グラフ」だそうです。この「グラフの考え方」が、今後のマーケティングの基本概念になると予感しました。純粋な「数学」は、世の中に役立つことを目的とはしていないが、結果として役に立つことを教えてくれています。良書です。備忘します。


食える数学

食える数学


…「きのこの山が120個、たけのこの里が180個ありました。これらを15人の子供で分けるとき、それぞれ何個ずつ分ければようでしょう…(p.30)

統計に基づくまったく新しい基準で統制されたアスレチックスは快進撃を続け…常識を疑い、統計をもとに徹底的に考えた結果の勝利です。私たちを悩ませている問題は、本当に問題なのか?(p.106)

「数学を使って別のことをやりたい学生」にとって必要なのは数学4であって、数学科数学ではない。(p.149)

「つながり」を表現するもっともシンプルな方法は、グラフを利用することです。(p.156)

現実のネットワークを詳しく解析すると、スモールワールド性だけでなく、クラスタ性という性質がある…クラスタ性とは友人関係でいえば、各人の友達どうしがまた友達どうしである度合いのことです。(p.160)

また一部の人に極端にエッジが集中するという性質もあります。(p.161)

…3人の関係は三角形になりますが、三角形の一辺の結合の強さが、非常に弱い場合があります…分析によれば、このようないびつな三角形がまわりにたくさんあると、その人の生産性は低く、バランスのとれた三角形が周囲にたくさんあると、生産性が高いそうです。(p.166)

小泉内閣は格差を拡大したのか」…を検証しました。…データを素直に解釈すると、小泉内閣は格差を拡大しているとはいえない(p.237)