切り取れ、あの祈る手を


「切り取れ、あの祈る手を」(佐々木中著 河出書房新書刊)を読みました。橋本大也氏のブログで知りました。久しぶりに難解な本です。頭脳の退化を実感しました。バックの音楽は高中正義の「虹伝説」で、せかされるように読みました。

本を読む意味について大いに考えさせられました。読んだ本の数を誇ったり、得た知識を要約して説明することの愚昧さを思い知らされました。そして、ギリシャの文学者もロシアの文学者もそのテクストや意味が誰かに伝わる方に賭けた大博打だということを理解しました。生きていることはけっして無意味ではない、期待に反して人類は滅亡しない、強く、そして、しなやかなメッセージ、しかと受け取りました。この本は何度も読まなければならないと思います。今回は備忘はしません。衝撃的な本です。


切りとれ、あの祈る手を---〈本〉と〈革命〉をめぐる五つの夜話

切りとれ、あの祈る手を---〈本〉と〈革命〉をめぐる五つの夜話