池上彰のやさいしい経済学2

池上彰のやさいしい経済学 ニュースがわかる」を読みました。最低、知っていなければならないことを易しく解説した本です。ほとんど知っていることでしたが、あやふやな理解を訂正することができました。恥ずかしながら同時代に起きた出来事を再確認しました。内容は「インフレとデフレ」「バブル」「円高と産業空洞化」「リーマンショック」「戦後日本経済史」などの解説です。読みやすい良書です。備忘します。

池上彰のやさしい経済学―2 ニュースがわかる

池上彰のやさしい経済学―2 ニュースがわかる

…ニューヨーク株式市場が大暴落しました。…ブラックマンデーと呼ばれました。…日銀は困ってしまいました。…アメリカは、株価が下がるようなことはしないでくれと日本に圧力をかけます。…このときドイツは、アメリカが何を言おうと関係ないと言って金利を上げ、その結果景気の過熱を抑えることができ、バブルが膨れあがらずに済みました。日本はアメリカに遠慮したため金利を上げることができず、物価高が一層激しくなったのです。(p.106)
…実は07年くらいから日本経済がようやく立ち直ってきて、08年からはデフレを脱却できそうな状態になっていました。…ところが、08年9月、アメリカのリーマン・ブラザーズという会社が経営破綻したことによって世界に金融不安が広がり、日本経済は再びどん底に突き落とされてしまったのです。リーマンショックさえなかったら、日本はデフレから脱却していたかもしれません。(p.201)
日本の場合、住宅ローンの返済ができなくなったら担保として土地や建物を銀行に取り上げられますが、その土地や建物の値段が借りた金額より下がっていると、その差額はお金を借りた人が返し続けなければなりません。…アメリカでは住宅ローンを借りる時にその土地や建物そのものを担保にしているわけですから、返済できなくなったら、担保を渡してそれでおしまいなんです。本来はこっちが本来のやり方ですよね。(p.212)
…経済学という学問は、世の中を分析する一つの武器になり得るということです。経済とは要するに人間の営みであって、人々の思惑によって経済は動いている。そしてお金が回らなくなるとうまくいかなくなる…(p.272)