おじさん、語学する

「おじさん、語学する」を読みました。物語仕立てのノウハウ本です。普通のおじさんがフランスの孫に会うためにフランス語を習得する物語です。強い動機がなければ、習得できないそうです。方法の善し悪しではありません。また、<訳読主義>をしていては会話も読書もできないそうです(英語は英語で理解する)。備忘します。

おじさん、語学する (集英社新書)

おじさん、語学する (集英社新書)

…NHKの語学講座は、語学教育者としての自覚をもった講師が教える初心者向け講座が多いので、助走には最適である。(p.33)
…西欧の場合は目を見て話すのが礼儀。(p.56)
…外国語の語順のまま理解するのが鉄則であるが、…繰り返し視聴しながら…意味がわかったら、訳した日本語が払拭されるまで、原語で繰り返し聞く。(p.87)
…含羞の日本男児だから、破廉恥なガキにはなれない。中年は、そういうつまらない見栄にこだわって、語学を駄目にしている…(p.123)
…いずれの外国語であれ、最初の千から千五百語を覚えるとかなり楽になる。それまでは、音声と文字と意味の三つを、自分にあった記憶法で繰り返す。(p.139)
…語学の成功には、他人に頼らず、自分の流儀を編み出してゆく試行錯誤や自己点検がなによりも大切で…(p.196)
語学は受動的暗記ではなく、考え方の回路を能動的に変えようとする努力、母語として慣れ親しんだ言葉の回路を一度捨てて、別な回路に切り替えようとする決断を学習者に要求するのです。(p.197)
…パーティを開いても知っている人としか口をきかず、余所者を黙殺する、あの談合方社会のメンタリティです。そういう島国根性こそ語学習得の最大の障害ではないか…(p.201)
学問…その成功を左右するのは、「うまずおこたらずに、はげみつとめること」で、歳月をかけて…工夫をせよ、…その工夫こそが<方法>である、そう宣長は言うのです。(p.209)