高層難民

「高層難民」を読みました。東日本大震災の前、2007年の出版です。いろいろな予測を書いていますが、ほぼ当たっているようです。東日本大震災の後に購入しましたが今日まで読んでいませんでした。私は集合住宅の4階に住んでいるので高層難民になることがないと、たかをくくって読む機会を失っていたのかも知れません。しかし、この本を読んでみて安心するのは早いことがよくわかりました。今日は関東大震災の日です。この大震災で、高さ52メートルのエッフェル塔を模した建物「凌雲閣」は8階から上の階層がぽっきり折れたそうで、のちに下部も爆破したそうです。地震の多い日本では高い建物は危ないに決まっています。それでも住んでいる人への警鐘とアドバイスです。
超高層マンションの一番のリスクはエレベータです。食料や水は準備できますが、このライフラインの崩壊が一番怖いそうです。また家に帰る必要のない人は止まって災害救助にあたるべきだそうです。第一次避難先は指定の広域避難場所で、そののちに学校などに避難するのがよいそうです。備忘します。

高層難民 (新潮新書)

高層難民 (新潮新書)

運が悪ければ。この停止したエレベーターのカゴの中に数日間も閉じ込められてしまいます。…すぐに暗闇になります。…なにより問題になるのが排泄です。…床に垂れ流しになるでしょう…耐えがたい地獄になっていくはずです。(p.42)
水洗トイレにはタンクがついてます。このタンクには約8〜10リットルの新鮮な水が使うたびに補給されています。…タンクの上では手を洗わないことと…月に一回はタンクの水垢をとっておく(p.50)
…最近の冷蔵庫の製氷ボックスは大きなものもあり、だいたい2リットル程度のボックスに製造した氷が…(p.51)
…停電になったことがわかったら…「冷凍庫」のドアや引き出しをあけてください。つぎに…カチンカチンに凍った冷凍食品や肉や魚の切り身などを。今度は「冷蔵庫」の扉を開けて、…最上層の棚にギッシリ詰め込んで下さい。…閉めた冷蔵庫のドアをガムテープで目張りして、絶対に開けさせないようにしてください。…2〜3日目に…開けて下さい…ほどよく解凍されているはずです。(p.61)
…食品には必ず火を通しましょう。そのためにも、カセットコンロは必須です。(p.61)
…エレベーターの内部からドアを開けることはできませんので、無駄なエネルギーは使わないことです。(p.68)
…日本の避難所は憲法で保障されている基本的人権が無視された空間だと思います。(p.126)