知れば知るほど面白い古事記

「知れば知るほど面白い古事記」「古事記の物語」を読みました。編纂1300年を期して発刊された本と平明な全文の現代語訳の本です。
乗りかかった船なので徹底的に学んでいこうと考えてます。ウヨクと間違えられますので理由を明らかにしておきますと「私が今生きている根拠は何かを知りたい」ということに尽きます。三浦先生は「古事記講義」の中で「生まれてから今までよりも、今から死ぬまでの時間のほうがずっと短くなった私には…人は植物だということを思い出すとホッとします。植物なのだから枯れて土に還るのは当然ではないか…」(p.32)と述べています。古事記は人を「青人草」と呼んで植物の如き存在であると規定しているようです。昔の日本人の生命観でもあるのでしょう。私も死ぬ前に安心した気持ちで生を楽しみたいからです。古事記には、それを実現する不思議な力があります。暗誦するとよくわかります。
勉強法を記しておきます。「古事記講義」を段落ごとに読み、「口語訳古事記」と「古事記の物語」で意味を理解した後、岩波「ワイド版古事記」で原文(読み下し文)にあたります。最後に久松文雄氏の「まんがで読む古事記」「ぼうるぺん古事記」などで流れを確認します。付箋をつけながらの読書ですが、特に大事なことはノートにも書いてます。備忘します。

「神話とは何か」という質問に答えるのはとてもむずかしいことだと思うのですが、わたしはこう説明します。「神話というのは、いま、ここに生きていることの根拠を語るものだ」と。…なぜ自分たちはここに生きてあるのか、この世界はどのような場所か、人はなぜ生まれたのか、なぜ死んでいくのかと問いたくなります。いつの時代でもおなじですが、人はそうした不安を納得し受け入れるために、生きる根拠が必要なのです。そして、それを保証するのが神話です。例えば…(古事記講義 p.9)
…スマルは星座のスバルなどと同じ語で、まとまっている状態を言います。スバルを外国語だと思っている人が多いのですが…れっきとした日本語です。(p.42)
…ワラウ、エム、エラクの三語を合わせて、古代の「咲」は正当に理解することができる…(p.66)