情報の呼吸法

「情報の呼吸法」を読みました。なかなか示唆に富んだ内容です。「人脈」にあらず、「ソーシャルキャピタル」というそうです。どうすればネットを利用してお金を儲けることができるか、マネタイズに対する考え方を学びました。震災時に、有名になった「ツダる」という動詞にまでなった張本人の著作です。副題は「発信しなければ、得るものはない」。「なるほど」と十回はつぶやきました。備忘します。

情報の呼吸法 (アイデアインク)

情報の呼吸法 (アイデアインク)

…高校の新聞部、大学のインターネット、そしてナップスター後の「音楽配信メモ」。この3つの中で、仕事の考え方、メディアの捉え方、興味の方向性を含めて、僕にとって一番影響が大きかったにはナップスターです。(p.041)
昔は「情報選び」は「媒体選び」でした。…しかしソーシャルメディアの時代になって、それは「人選び」に大きく変わりました。人をどう選ぶかによって情報に大きな違いがでるようになりました。(p.045)
人間は物事が動き出す瞬間に合わせることにものすごく興奮する生き物だと思います。これはずっとソーシャルメディアを見ていて気づいた事でもあります。今この場所に自分はいる。今このイベントに自分が居る、今このスレッドに自分が居る… 。今しかありえない「伝説」はここで作られようとしている、その瞬間に立ち会うことに興奮するのです。(p.057)
経験則なのですが、 Twitterのタイムラインを楽しくおいたいのであれば、フォロー数は300〜500人位が最適です。自分自身、ツイッターをしていて一番気持ちよかったのはフォロー数が300人ぐらいの時です。(p.067)
…あからさまにいえばフォローフォロワーを増やしたい。そう思ってる人も多いと思います。…一番手っ取り早い方法は、ある情報ネットやテレビのニュースで見かけた時に「これはツイッターで話題になるかも」と思ったらすぐに流してみるということです。(p.094)
具体的に言うと、はてなブックマーク人気エントリーがありますよね多くの人がブックマークして注目してるページの一覧です。エントリーの中に自分が詳しいジャンルがあったら一言コメントを添えてエントリーを紹介していく。それをいちにち10回くらいやれば、注目されてフォロワーが増えます。ただ単なる情報発信だけでは人は満足しないので、その後に自分の日常や普段思ってることなどを書いていくと、自分自身のパーソナリティについて興味を持ってもらえて、さらにまたフォロワーが増える。(p.097)
後は自分が面白いと信じることを継続することです。まずは1年間続けてみてください。反応ないと心が折れてしまって1年間も持たないケースがほとんどです。そこで諦めずに続けられる心の強さが必要です。我慢して続ければ、それが情報を「棚卸し」する際の血肉になっていきますし、結果的に自分の強みにもなり、そのジャンルの情報発信を続けるんだという自負も形成されます。(p.099)
嫌儲」という言葉がある。日本では人が儲けることに対する抵抗は根強くあります。アドセンスクリックなど自分の懐が痛まないのに嫌がる人がいるというのは、そういった価値観が心の深層にあることの表れです。(p122)
情報格差が今後広がっていく契機もここにあります。無料の情報だけで満足する「嫌儲」的な価値観の人と、価値ある情報はちゃんとお金を払って入手しようという人、おそらく二極化されるでしょう。今後情報が無料のものと有料のものとに分かれていく中で、きちんと対価を払うか、払わないかの選択は、入手できるソーシャルキャピタルの差にも決定的につながっていく。そういう時代になっていくと思います。(p123)
だから「この人面白い」「この人はいいかも」といった人を見つけたら、積極的にfollowして会話するようにしたほうがいいと思います。興味のあることや問題意識を共有することで、人間関係をソーシャルメディア上の「棚」にしまっておくことができるようになります。そうやって獲得したソーシャルキャピタルのウィークタイズは日常的に使う必要はありません。しかし、本当に自分が困ったときに「棚」にあるものを現実の世界に「棚卸し」する。つまり問題を解決してくれそうな適切な人に相談したり会いに行けばいい。 (p150)
そのような環境下で求められるは自分自身も他人の資本であるという意識を持つことです。平たく言えばギブアンドテイク。言葉を変えれば自分は資本を使う主体のみならず、他人の資本として使われる客体でもあるという意識を持てということです。自分が他人の資本として使える価値が大きくなればなるほど、自分に対してアクセスしてくる人間が増えます。結果、それは自分に多くのソーシャルキャピタルが回ってくることを意味します。(p162)