たった1人を確実に振り向かせると、100万人に届く

「たった1人を確実に振り向かせると、100万人に届く。」を読みました。軽いタッチで読みやすいので1時間弱で読了しました。中身の濃い本です。これまでのマーケティング手法では、第四次産業革命の今を乗り切れないという警鐘から始まります。著者の推奨する「フォーカスマーケティング」と「ペルソナマーケティング」あるいは「one to one マーケティング」との違いがよくわかりました。一言で言えば、新しい時代のマーケティングには自分を全面に押し出す必要があることを深く認識しました。ユニクロソフトバンクの社長のやり方は、第四次産業革命に対する適応行動ではないかと気づきました。良書です。備忘します。

1 ビジネス環境が大きく大きく変わった。しかもこの変化は非連続、革命だ。
2 それにともなってマーケッティングを変化させないと成果は出ない
3 新しいマーケティングは新しいアプローチになる(p.10)
今僕たちは第4次産業革命の真っ只中にいる。ルールが変わった。変わったルームに合わせて、ノン・カスタマー戦略をとるどしてビジネスモデルを変えざるをえない。そしてマーケッティングも新しくしなければ成果を望めない。(p.27)
過去の革命はいずれも、ビジネスサイドの能力を高めるものだった。第4の革命は、生活者・顧客がパワーを持った。…つまりこれまでの革命のように組織の都合で物事は運ばない。そもそも組織の成立そのものが危うくなって来ているのかもしれない。ネット革命は、テクノロジーの革命ではなく、ビジネスモデルそのものの革命なのだ。(p.30)
マーケティングの第一歩が「コア・アイディア(自分のビジネスを成り立たせているアイデア)」が何かを知り、伝わりやすいようにすること。君のビジネスのコア・アイデアを知ろう。そのために、「つぶすには?」を徹底的に考えよう(p.46)
コア・アイデアがわかったら次の3つのチェックをしよう。 シンプルか? アイデアを伝えた相手が何か得をするだろうか? 伝えたくなる面白さが含まれているか?(p.59)
たった1人つまり1つのinterestを満足させる。満足すると人はつい誰かに伝えシェアしたくなるものだ。映画や芝居は一人一人が見るものなのに、どうして誰か友達、恋人、家族と一緒に観たくなるのかというと、その感動をシェアしたいから。そしてソーシャルメディアがインフラになった社会は「おすそ分け社会」。 share societyでのマーケティングは第4次産業革命前までの伝統的なマーケティングとは異なるアプローチになる。(p.84)
…既に顧客になってくれている人の中で、特に濃いファン。たった1人でいい。彼女に向けてメッセージを送ろう。そしてよかったら友達に勧めて下さいとお願いも添えよう。(p.96)
いいねのボタンをただおして返すだけではダメだ。…でもね、手間を惜しんじゃだめだ。ソーシャルのコツは「情熱と手間ひまかける」。そりゃ時間かかるよ。でもね、手離れを悪くすることが、この人はきちんと全員のコメント読んでくれて、レスポンスをしてくれる人なんだという印象を手にすることになる。(p.160)
…ペルソナマーケティングのように企業からターゲットにフォーカスし、メッセージを投げるという図式、「企業から顧客」に捉えられてしまうことだ。これ最も重要な違いなんだ。フォーカスするの確かに目の前の1人だ。目的はメッセージをただ一方的に投げるだけではなく対話すること。会話した結果、信頼が生まれ、そこに物語が紡がれる。そしてその物語は、顧客と企業のマーケットは両方に記憶となって、互いの思い出の中に生き続ける。(p.205)
君という生身の人間が、生身の人間と対話し、互いの信頼を築き、物語を織り、人生の記憶を作って、そして思い出として互に生き続ける。喜びだよ、感動する 。愛がある。そして楽しい。(p.219)