あたらしい書斎

「あたらしい書斎」を読みました。書斎は私の夢です。でも書斎をつくる計画を妻に話せば反対されるでしょう。好きなことばかりやっている上に、家の中までおもちゃ箱にしたいのかとなじられそうな予感がします。たしかに社長室はもとより、商工会議所のインキュベータースペースも自分の書斎のようなものです。もう一つの書斎には居る時間がないかもしれません。
本書は、机やイス、レイアウトなどの物理的な問題も論じていますが、それよりも未来の情報管理術について語っている部分の方が役に立ちました。書斎は「こもる場所」であると同時に「開かれたスペース」になるとのこと。卓論です。備忘します。

あたらしい書斎

あたらしい書斎

まず、「こもる」ことができる空間であること。そこに机とイス、その他集中するかめの仕掛けがそろっていることが、最小規模の書斎に求められる機能と改めて考えることにしましょう。決まつた空間と机やイスなどの道具がそろつた環境があると、私たちは集中しやすくなります。いわゆる「スイッチが入る」といぅ状態で、使い慣れた書斎でイスに座り机に向かうことを毎日繰り返していると、なかば条件反射で集中し、充実した学びや考えごと、書き物などが可能になるものです。そのためには部屋作りを楽しんで、効率とは無縁なものも含めて愛着の持てる空間にし、愛着の持てる道具を置くことも、また大切です。(p.039)
夫婦のリビングに書斎スぺースを作るにあたって大事なことは、あくまでも「同じ部屋にいる」感は壊さないことです。書斎の機能の最初に「こもる」ことを挙げましたが、夫婦が2人きりで自宅にいる時間は貴重はずで、それなのに旦那さんが書斎にこもりきりというのも、実際問題としては考えものです。完全にこもるのではなく、ゆるやかな仕切りを設けて集中できる空間を確保しつつ…(p.080)
…次の4つのエリアで本を分類します。
●現在:今読んでいる本、これから読む本は机の周りに ●処分:処分する本は段ボ礀ル箱に ●仮置:あとで読み返す本。「保存」に回る候補として本棚に ●保存:ずっと保存しておく重要な本も、もちろん本棚に
まず「現在」の本をいきなり本棚に並べてしまってはいけません。読む前の本:は、まだ自分に必要かどうか判断できません。机の上や近くの棚などに孜いて、判断保留の状態にしておきましょう。読んでいる途中の本も同様です。…次に「処分」の本。もう読まないと思った本は、家のどこかに用意した段ボール箱に入れていきます。(p.094)
デジタル化し、情報を保管する段階で気を付けたいのは、書類であれば入手した日時や場所、入手した経緯やそのときの自分の状態、といった周辺情報を、できるだけ一緒に保管することです。
デジタル情報になつた書類は、見た目で情報量を把握することができません。また、書類のよぅにパラパラとめくることもできないので、全体をざつと見通すことが難しくなります。実はデジタル化した情報は、検尜性が向上する一方で、一覧性はアナログのときよりも落ちてしまぅのです。それをカバーするためにも、デジタル化した情報には少しの手問をかけて周辺情報を記録し、あとで探しやすくしておくことが重要です。…書類の隅にペンで書いておくのが、原始的ながらも確実です。(p.122)
ここからは「開かれた書斎」を考えます。現代の書斎は、物理的には従来どおりに閉じられた、こもることができる空間として機能しながら、情報の流れとしては、開かれた場として機能します。これが、私たちの「あたらしい書斎」のもっとも重要な新機能です。「書斎を開く」ことの具体的な形には、主に3種類が考えられます。1つは、Evernoteの他、DropboxGoogleドラィブなどクラウドのサービスが持つ共有機能を利用して、自分が保營している情報を他の人に-も共有する形です。不特定多数の相手に共有することも可能ですが、…情報共有のスピ礀ドアツプに役立ちます。(p.134)

ブログは、流行に振り回されることがまずありません。また、過去の記事も参照しやすく、検索エンジンから検索される可能性も高いため、ブログの記事として公開したストック情報は、どんどん積み重ねていくことができます。知り合いだけでなく、まだ知らない人にまで自分の考えや興味のあることを共有し、それを長期的に続けていきたいと考えるならば、現時点ではブログを続けることが最良の選択肢となるのです。(p.138)