なぜあの商品は急に売れ出したのか

「なぜあの商品は急に売れ出したのか」を読みました。名著です。市場理解の基礎文献として読みました。口コミ感染の法則を論じた本で、昨日読んだ「ウェブはグループで進化する」に古典的名著として取り上げられていた経緯もあり読んでみました。
口コミ感染は伝染病感染と似ており、ある法則に則って拡散していくことを論じています。「ウェブで…」が前提条件として取り上げている幾つもの基礎法則が各所に示されています。「割れた窓理論」「150名最適論」「弱い絆論」などなど。感染の臨界点は3つの法則に従うそうです。すなわち、少数者から始まる、粘りの要素が不可欠である、背景の力に影響される、とのこと。本書では「口コミはコントロールできる」との立場でした。「ウェブ…」では、少数者は「親しい仲間」に置換されるのではないかと論じ、絆(人本位)を理解しないと、市場操作は難しいという立場でした。実践レベルまで、もう少しではないでしょうか。備忘します。

なぜあの商品は急に売れ出したのか―口コミ感染の法則

なぜあの商品は急に売れ出したのか―口コミ感染の法則

大きな変化はときとして小さな出来事に由来し、ときとしてその変化はきわめてすばやく生じることがある。…この突如として起こる変化の可能性こそ感染の臨界点という発想の核心であり…(p.27)
…関係の6段階分離説は、すべての人が…六段階でつながっていることを意味するのではない。ごく少数の人がわずかな段階でその他のすべての人とつながっていることを意味する。(p.63)
…つまり、知り合いとは社会的力の源を象徴しているのであって、知り合いがたくさんいればいるほど、あなたの社会的力も強いということを意味する。(p.81)
情報通になるということは教師になることである。…情報通は自分たちの知っていることを分かち合い、交換するという意味で、まさに滋養法ブローカーだといえる。(p.101)
…わたしたちの内面状態は必ずしも意識していない形で、外部の環境に決定されている…(p.206)
…”150の法則”と呼ばれるものがそれだ。背景の力が予期せぬ不思議なかたちで社会的感染の流れに作用する。(p.236)