価値創造の思考法

「価値創造の思考法」を読みました。FBの古屋さんの推薦です。この十年、私が悩んできたこと、あるいは業界が悩み続けていることへの解決の糸口を示してます。自らのサービスの価値を理解(発掘)して、価値を生み出す絆と利益の複雑系を理解すれば、現状を打開できるかもしれません。これからの経営は「親しい仲間」を「応援者」にすることではないかと思いました。良書です。備忘します。

価値創造の思考法

価値創造の思考法

商品価値はV(価値)=P(パフォーマンス)/C(コスト)によって表される…Vは商品のもっている価値である。Pはパフォーマンスで、一般的には機能や性能や効果などを示す。Cはコストで費用、手間などを指す。(p.40)
…価格競争になりにくいことから、利益が十分に確保できる可能性も高い。そこにはまさに今、大きな可能性が広がつている。しかし、それに応えられている企業は少ない。まさに、「眠れる」巨大な市場なのである。この「眠れる市場」を起こすには、新しい消費者の欲求に対して、新たな顧客価値(カスタマー・.バリュー)を提示(プロポジション)し、価値創造をなさなければならない。(p.59)
…特に作り手は丹精込めて苦労を直ねて製品を作り上げるので商品に価値がある…つまり価値は商品に帰属すると思い込んでいる。そしてそれはある面では、事実である。確かにその商品は、現に大きな価値を持つている。しかし、お客さまがその価値を感じるのは、お客さんの頭の中に価値が生まれた瞬間からなのだ。…つまり、その意味では、価値はお客さんの頭の中にしかないのだ。…お客さんの頭の中で価値が生まれる運命の瞬間を左右するものは、お客さんの脳にどんな惰報が入力されたかである。…つまり、価値は情報によって生まれるということである。(p.75)
…こういう行為を多くの入は単に「チラシを作る」と解釈してしまうが、概念化・言語化を意識してチラシを作ることは単なるチラシ作りではい。お客さんから見た価値、お客さ
んが価値と思う要素をどのように概念化・言語化して伝えるかという、大切な取り組みなのだ。(p.88)
…売れない商品を売りたければ、商品の持つ価値を概念化・言語化することだ。(p.91)
…「売る」というのは、お客さんに「買う」行動の理由を与えることに他ならない。(p.105)
…バックストーリーはきわめて強力な動機をもたらす。これはあらゆる商品・サービスにいえることで、よく覚えておいていただきたい。(p.121)
…商品の価値を掘り起こす思考ツールとして考案した「価値要素採掘マップ」。これをぜひ活用していただきたい。このマップを活用することで、商品に備わつた価値を掘り起こし、概念化・言語化する重要なプロセスが可能となる。実は、このマップは、概念化・言語化する際に留意すべき次の3点を踏まえている。ひとつ目は、概念化・言語化する際には、外在化(みえる化、視覚化)しなければならないという点だ。ニつ目に、概念化・言語化には、直感的なアプローチを取り入れることも重要である点。そして三つ目に、身体性を重視する点だ。体を机に向かつてうんうん唸るのでなく、体を動かす方法を取る。(p.126)
…新しい消費社会は「諸現象は一回しか起きない(すべては個別具体的な一回性の事象であるという特徴がある。そこで危険なことは、ひとつのアウトプットを何も考えずに真似る、あるいはそのまま使つてしまうことだ。それはむしろ、望まぬ結果を生んでしまうだろう。お客さんの価値創造メヵニズムの正確な理解に基づき、自社商品やサービスの「売れる」パターンを見出し、モデル化し、展開すること。それこそが今日重要なことなのである。(p.154)
…絆のない単なるリピーターは、たとえ頻繁にリピートしてくれていても、ある日突然いなくなる可能性が高い…(p.205)
…満足は顧客のための必要条件ではあるものの、本書で言う絆にはつながらないのである。(p.213)
…絆と収益という一見結びつきそうにない要素が結びついていること、それを経営に生かし得ることも示した…(p.260)