おいしいから売れるのではない売れているのがおいしい料理だ

「おいしいから売れるのではない売れているのがおいしい料理だ」を読みました。サイゼリヤ創業者、一代のカリスマ経営者の本です。「執拗な人」です。未来工業の社長よりは仕えやすい人ですが、この方も「変人」には違いないと思います。「店長の仕事は総労働時間管理」「成功を学んでも成功しない」「目標は一つ」などなど、大変勉強になりました。備忘します。

おいしいから売れるのではない 売れているのがおいしい料理だ

おいしいから売れるのではない 売れているのがおいしい料理だ

…問題点は、自分の店の料理は美味しいと言う自分にとって都合の良い結論を無意識のうちに導き出してしまっていることだ。だから近所の繁盛店の動向を確認することに考え至らない。自分本位に物事を考えてはならない(29ページ)
ちなみに消費者がストレスを感じずに払える金額は朝昼夜で異なる。比率は朝昼夜の順で1:2:4。普段の昼食に500円使う人は、夕食は1000円まで。朝食は250円までならストレス感じずにお金を払えるという傾向にある。(34ページ)
大前提は業績が良いところを視察し、学ぶという姿勢だ。上場会社なら有価証券報告書から、売り上や利益率、店舗数や従業員の生産性がわかるから、必ず調べておく。なぜその道に行くのかを前もってはっきりさせておかなければならない。なおチェーン店を視察する場合、その店は自社を10倍、より100倍…多ければ多いほど望ましい。なぜなら数多くの店を持つチェーン店では、長い年月をかけて改善と標準化を進め、その店のお客様にとってこれが大事というものだけが残っているはずだからである。(40ページ)
さて実際に店を視察するときは、「商品」「設備」「作業」「立地」の4分野について、それぞれ100項目ずつ書き出していくことを勧めする。…次のステップは記した項目について、なぜその店はそうしているのか、なぜ自分の店と違うのかという因果関係を考えることだ。…お互いに結果を報告して仮説を一緒に考える。(41ページ)
だから、「美味しい」=「客数」と考えるようにしている。客数が増えているなら、その料理美味しい。逆に客数が減っているのは その店の料理は美味しくなのだから何らかの対策を講じるきだ。(51ページ)
最も大切な指標「人時生産性」 適正な利益を確保するという意味で私は創業時から重視す 90る経営指標が「人時生産性」だ。 …人時生産性=粗利÷総労働時間…飲食店名なら2000円〜3000円が標準的なはず…サイゼリアは…6000円を目標にしている。(85ページ)
…では何が1番大切かというと、仕入れ業者との間で納品してもらう食材の品質について下限を決めることだ。(95ページ)
さてサイゼリヤの店長の最重要の仕事は、過去の売上推移から予測される来店客数と店舗スタッフの能力から算出される1週間のスタッフの総労働時間(=1週間分の人件費)内で、 …人員配置を決め、それを守ることだ。…1週間で計画をたてるのがちょうど良い。(101ページ)
支出額を決めて、それ以上絶対に使わないようにした方が、コスト削減はすすむ。ちょうど、夫の給料が減っても奥さんがうまくやりくりしてしまうのに似ている。(102ページ)
ちなみに価格を見直すときのコツは値段の末尾に「4」「8」「9」を意識することだ。ある料理を値下げする時、350円よりも340円はかなり安い印象受けるが、320円や330 円まで引き下げても消費者における心理的インパクトは340円とあまり変わらない。 (106ページ)
だから、皆さんには金儲けとか私利私欲ではなく仲間を幸せにするとか、社社会に貢献するような目標を持つことを勧めたい。そして、いろんな描くビジョンを照れずに言い続けることだ。長年一緒にいる奥さんから「この人急に変になったの」と心配されるくらい大きな目標持つのが、ちょうど良いと思う。そうすれば自分より優秀な人材があなたや仲間の夢を叶えるために力を貸してくれるはずだ。( 152ページ)
サイゼリヤの経営理念かは「人のため・正しく・仲良く」というもの。「人ため」とはお客様に喜んでいただいたかのバロメータを客数と捉えて、客数を増やすことを最優先で考えよう、という意味。…次に「正しく」とは「正しく経営してていこう」ということで、会社も従業員も喜ぶことをやろう。という意味だ。…そして「仲良く」とは文字通り「従業員はみんななかよくやっていこう」ということ。そのためには、公正で客観的な評価をしなくてはならない。そういう意味も込められている。(158ページ)
よく成功体験から学ぼうとする人がいるが。成功はほとんどの場合”マグレ”みたいなもんでそこから何かを学ぶのは不可能に近い。失敗を繰り返し、その経験から学んでこそ、成功に近づける。(168ページ)
そして大切なのは目標として追う数値を一つに絞ることだ。…目標として追う数値は時々変えても構わない。例えば営業利益でも良いしアンケートを集めたいなら、アンケート結果の回収数というのも良いだろう。ただし、追う数値は一つに絞ること。…人間は一度にいくつもの目標を追えるほど器用ではない。(195ページ)