ウィニング勝利の経営

「ウィニング勝利の経営」を読みました。GM中興の祖、ジャック・ウェルチの経営論です。要するに、市場で1位か2位になれない事業からは撤退する、いわゆる選択と集中に徹すること、社員の下位10%は常に入れ替えること、この二つで組織に緊張感を与え、信賞必罰、公正公平に経営すれば、会社は必ず強くなると言っています。備忘します

ウィニング 勝利の経営

ウィニング 勝利の経営

…選別は残酷で強者生存のダーウィン主義だと決めつけた。しかもそれは彼女のコメントのほんのさわりでしかなかった!当然ながら私は選別の絶大な信奉者だ。これによって並の会社が優良企業に変身を遂げるの見てきたし、経営システムとしてこれ以上倫理的で健全なものはないと思っている。本当にうまくいくのだ。経営陣が社員や事業をトップレベルとボトムレベルに峻別し、有能な社員が事業育て、だめな社員や事業を淘汰していく会社は勝ち残る。どの事業も社員も同等に扱われ、どの事業も全て均等に掛け金をばらまくような会社は苦しむことになる。(52ページ)
事業や製品の選別することは、経営にビシッとしたケジメをもたらす。市場でナンバーワンかナンバー2と枠をはめたおかげで、 GEはそれまで何十年とやってきたあっちこっちにお金をばらまく方法を止めることができた。当時のマネージャーもお金をばらまくのは賢明な方法ではないと知っていただろうが、何と言ってもそれがいちばん容易だった。マネージャーたちはうまく立ち回り社内政治を使って自分たちのパイの取り分を大きくする。それは大変なプレッシャーだった。そこで闘いを避けようとしてみんなに少しずつ分け与えてうまくいくようにと願うだけの状況になっていたのだ。(54ページ)
選別したボトム10%に関しては、遠回しにやることはない。彼らには辞めてもらうしかない。だが、これは言うは易く行うは難しの良い例だ。人をクビにするというのは、実に嫌なことだ。クビという言葉すら私は嫌いだ。だが、背透明性の高い組織で明確な業績目標とその評価制度がきちんと整っていれば、ボトムの10%は自分がどういうポジションにいるかをわきまえているはずだ。話をすれば大抵の人は、言われる前に自分が辞めていく。自分が必要とされてない組織にいたいと思う人はいない。選別が素晴らしいのは、元の10%が他の組織に出て、そこで適職を見つけ、能力を発揮して成功することが頻繁にあるところだ。 (57ページ)
中でも横綱級のものは、長期・短期のパラドックスだ。私はよく「四半期ごとに成果を出しつつ、先のことを考えて行動するにはどうしたらいいのですか」という質問を受ける。私の回答は「それに悩むようなら、あなたの経営者の仲間入りだ!」そう、短期の業績を上げるのは誰にだってできる。ギリギリと絞りあげればいいのだから。長期だって簡単だ。夢を見続ければいいのだから。あなたがリーダーに選ばれたのは、ギリギリやりながら同時に夢を見られる人だと上司が認めたからだ。洞察力と経験があり、長期の相反する要求を上手にバランスが取れる人だと見抜いたのだ。 (77ページ)
なんとなくアレ?と妙な感じが残る。だったらそういう人雇ってはいけない。(89ページ)
仕事は人生の大きな部分を占める。だから何かを達成したときには認めてあげよう。出来る限り多くのチャンスを捉え祝ってあげよう。(96ページ)
ポイントは70%が重要だということ。どこの会社でもこの層が最も中核をなす。もし上手に人を管理したいと思うなら多数派の彼らを忘れてはならない。(139ページ)
個人そして事業に対する報酬は予算の数字とは関連付けされない。前年の業績あるいは競合相手の業績と比較して検討され、現実的な線で機械と衝撃を考慮に入れて考えられる。(234ページ)