原稿用紙10枚を書く力

「原稿用紙10枚を書く力」を読みました。著者は「声に出して読む日本語」の斉藤孝さんです。テレビ出演では線が細くてイマイチですが、軽い読みものを書かせたら当代随一とまでは言いませんが、結構いい線だと思います。その秘密の一端を公開しています。よい文章を書くにはやっぱり充分な準備が必要です。達者とは努力の賜だということがわかり心強くなりました。備忘します。★★★

原稿用紙10枚を書く力 (だいわ文庫)

原稿用紙10枚を書く力 (だいわ文庫)

「起承転結」とは四つが、均等のものではなく、実は「転」があるか無いかに全てがかかっている。考える順番で言えば、「転」が最初。つまり、「転起承結」なのだ。「転」を思いついたら、後は「起・承」を無理でもくっつける。「結」は最後、とりあえず無理矢理考えて大丈夫。「転」を命にして、「転」を思いついたら書く。(p.28)
文章を構築するという意識で発想の段階から実際に書くまでを行えば、誰にでもあるレベル以上の文章が書けるようになる。「キーキーワードを見つける」「キーワードから三つのキーコンセプト(言いたい事)を作る」「三つのキーコンセプトを結びつけて文章構築する」という方法を紹介していく。(p.38)
書くために読むのは、私たちが普通に本を読む時の「味わう読書」とは違う。それは「こなす読書」になる。書くための読書という視点を忘れないことが大切だ。(p.79)
書く側が「気づき」の面白さを感じないのに、読み手が面白さを感じるわけがない。全く新しいものである必要はないが、文章の中に、読み手に何らかの「気づき」を与えるものがなくては、読む意味もない。(p.98)
キーワードやキーコンセプトを取り出してメモを作ったら次はレジュメである。レジュメは書く前段階として構成や中に入る項目などをまとめたものである。実際に書くときには、絶対にレジュメを作らなくてはならない。レジュメ作を作るとき、項目ごとに百字以下でいいので、何についての項目なのかを書き込んでおくことだ。そうしておくと、あとで本格的に書くときに非常にに立つ。(p.109)
キーフレーズは多少分かりにくいものでもいい。自分にとっては、それを結論のつもりで書く。自分が一番言いたいこと一行目に書く。その後に続く文章はそれはどういうことかを説明することに費やす。(p.115)
まず三つのキーコンセプトを拾いだしたら、その三つを図にしてみる。…そして、その三つのキーコンセプトで三角形の図を描いて、その関係をイメージしてみる。(p.120)
例えばストーリーについては割愛して、どんな場面が印象的だったが、いくつか挙げてみて、それを手がかりに書いてみる。ここが面白かった、こういう場面でこう感じた、映画の解釈としては、たとえ的外れであろうと、気楽なスタンスで書いてみる。映画について気楽に書いてみる事は、あるものを素材に自分のなかのものを表現する格好の訓練になる。さらにその映画を見ていない人にもわかるように、ストーリーの説明を試みる。すると客観的にきちんと表現する技のトレーニングにもなる。(p.135)
映画でも、最も印象に残った三つの場面を拾い上げてみよう。そしてなぜ、その場面が良かったのかを書いてみる。最終的には、その三つをつなぐことで、自分がなぜその三つを選んだのかがはっきりして、その人の感性が明確に出てくることになる。(p.137)
何かを書こうとした場合、その内容について、あまり人前で話さないほうがいい、と言われる。アイデアが盗まれるからではなく、話すことで満足してしまい、自分の中で書く圧力が低くなってしまうからだ。(p.183)