続・午前8時のメッセージ

「続・午前8時のメッセージ」を読みました。おそらく草柳大蔵氏の最後の著作です。われわれ日本人に対しての「励まし」「お叱り」に溢れた本です。彼の教育論の一端を垣間見た思いです。人生のたそがれどきに、お別れの言葉を述べているようにも感じました。尚、著者推薦の映画「山の郵便配達」を中古ですが、入手しました。備忘します。★★

続・午前8時のメッセージ

続・午前8時のメッセージ

…少年少女が非行に走る原因の62%は幼児期の、良心あるいは祖父母による溺愛なんですね。つまり過保護です。…大脳の中の神経回路が未成熟になってしまうんだそうです。(p.31)
…「人は人を浴びて人となる」と一言でおっしゃるんです。教育、あるいは人づくりとは、こういうことなんですね。(p.81)
…「山の郵便配達」という本です。…そこに描き出された心の交流が「人間生活の原風景、もっとも基本的な風景、忘れられない、体の中に染み込んだ風景」と、みんなが思ったらしいんです。(p.128)
「一文、二電、三メール」という言葉があります。一番目は文章、手紙です。二番目は電話。三番目はメール。(p.165)
…呂信吾という人の「呻吟語」という本に…「世教」という言葉があり… 政治を行う上で一番大切な問題というのは、「世教」というもの、世の中に受け継がれていく教えというものを、政府も、地域社会に住む人も、みんな力を合わせてつくり、そしてそれが失われないようにしていくことではないか、と言っています。(p.215)