毒舌日本史

「毒舌日本史」を読みました。函館育ち今東光氏の放談録です。博覧強記の面目躍如、日本の歴史を気持ちよく独断しています。例えば、後醍醐天皇はケチで無能だと。官軍の二大将軍(護良親王楠木正成)を自ら失う手を打たれたのは暗愚な帝である。道鏡は名僧である。などなど。備忘します。

毒舌日本史 (文春文庫)

毒舌日本史 (文春文庫)

物部神道というのがある。…この神道の神典が「旧事記」です。p.17
モノノベがモノノフになった。p.41
和を以て貴しとなす、…平和憲法として最高じゃねえすか。p.67
…清麿は藤原氏の陰謀に加担したとしか思えませんや。彼は神託じゃあ道鏡坊主はいけねえって復命した。p.97
功成り名遂げた人間は実際には、もう、現世ですることは何もないんだ。あとは唯良いことをするだけが残された仕事だよ。子孫のために美田を残すなんてのは小乗的成功者なんだ。清衡って人の偉さはあらゆる辛酸を舐めたばかりでなく、屡々、生死の関頭に立って来て謂うところの死線を越え、…偉大さ発揮するんです。p.141
尊氏は秀吉や家康に比べるとスケールが違います。尊氏の方が上です。尊氏と信長なら天下を二つに分けて争うでしょう。p.223
信長は歴史を認めない。何故なら、おれが歴史を作ると思ってるんだ。…信長が生きていたら万世一系なんて果たして認めるかどうか。p.289
蒋介石が松陰を学んだのは日本に留学して…明治維新の革命は吉田松陰から生まれたとして…それが辛亥革命になったんです。p.373