哲学ってなんだ

「哲学ってなんだ」を読みました。哲学の力で民族や宗教や文化、習慣などの違いを超えて、人々が共存できる社会が実現する可能性があると理解しました。池田信夫氏が「哲学は面白いが役に立たない」と述べていましたが、そうでもないと思いました。「哲学とは…世界説明の方法である。」世界が明快に説明されると個人も社会も幸福になれることがわかりました。フッサールを読むべきと了解しました。私ごとで言えば、習慣や思い込みで生きていると、死ぬ前に後悔するよと脅かされている気になりました。備忘します。★★

哲学ってなんだ―自分と社会を知る (岩波ジュニア新書)

哲学ってなんだ―自分と社会を知る (岩波ジュニア新書)

デカルトによると…世界の様々なことはすべて疑わしいと言えるが、しかしたった一つだけ疑えないものがある、それは「わたし」が存在していることであると。p.74
カント…は自分の哲学原理として「自由」というキーワードを示した。人間の本質は「自由」であると言うのだ。p.77
…ルソーは言う。社会の成員が、全員でいったん自分の「自由」を一つの政治権限にあずける。そして、この政治権限が、成員の一人一人にこの「自由」を権利として確保する。これ以外に考え方がない、と。p.82
ヘーゲルは…人間精神の本質は「自由」への欲求という点にあるというのがよいと。p.91
キルケゴールは言う…死は一切の可能性の終焉でもある。なんという不条理であろうか!すべての人が、つねに絶望しているわけではない。でも、人間はいつかどこかで、この決定的な絶望に出会う。あるいは、人はこの決定的な絶望に向かって生きていると言えないだろうか。そのような意味で、絶望こそが人間の本質である。この絶望を個々の人間がいかに超えうるのか、それこそ哲学の最も本質的な問題であるはずだ…。p.100