「強い製造」「強い設計」のつくり方

「利益を生み出す強い製造強い設計のつくり方」を読みました。必要に迫られての読書です。「見える化」の遠藤功氏の最新刊「現場論」を読んで痛く感動しました。本書はその具体的な進め方を示唆しています。製造業を指揮するようになって約10ヶ月が経過しました。「生産」と「製造」の意味の違いすらわからない人間が良い会社にしようと奮闘してきました。すなわち売上を伸ばせば良くなるのではないか、経費を削減すれば、労働環境を改善すれば、などなど取り組みました。「工場の改革が肝だ」と薄々は気づいていましたが、この本を読んで腹に落ちました。技術力が拮抗して、差別化が難しい業界では、コスト競争に勝つことが最も重要で、「見えないコスト」特に人件費に着目することが早道であることがわかりました。備忘します。

…すべてのコストは辿っていけば、天然物に行き当たり、それに人が何らかの加工をすることによって付加価値を生じさせてるのであって、結局はすべてのコストは人件費ということになる。p.3
・人手を経るほどコストは上がる。 ・工程数が増えるほどコストは上がる。 ・時間をかけるほどコストは上がる。p.3
「見えないコストとは」…発生しているのは確実なのだが、確実に数値で捉えることのできないコストのこと…p.12
…生産計画の変更が発生するとそこで大きなロスコストが発生する。p.14
不良品…良品になったものはラインに戻されるが、この時に発生した人件費、再検査に要したコストなどを合計すると、…数倍かかっていることは珍しくない。p.14
場内物流コストを計算している企業はほとんどないのが実態…p.15
教育工数を減らしてより短時間でより高度な教育を行う工夫が足りない企業が多い…p.18
原価計算にはいろいろな方法があるが、…大切なのは、常に複数の原価計算を行い、それを比較することによって問題を抽出し、改善を行っていくということである。p.25
高コスト体質の会社の…原因の本質は「管理力の弱さ」にある。p.32
「見えないコストの部分に積極的に取り組むことによって今までにない大きな成果をだしてゆく…p.40