14歳からの哲学

「死んだらどこにいくのか、人を殺すことは悪いことか、宇宙の果てはどうなっているのか」、この「生死」、「善悪」、「宇宙」という哲学の三大テーマが独立しているのではなく関連していることに気づかされました。「宇宙に目的はないが、そこに〔ある〕ことは確かだ。〔ある〕ことを認識しているのは自分だ! 宇宙の一部が自分であり、自分の基準で世界を観ている」これは衝撃の認識です。この問題に解答はないが「感じる」ことはできると池田晶子さんは述べています。般若心経「色不異空 空不異色 色即是空 空即是色 受想行識 亦復如是」はそのことを言っているのだと思い至りました。齢すでに60を超え、未だ至らずとはいえ、このすがすがしい「今しかない」感じに酔ってます。備忘します。

14歳からの哲学 考えるための教科書

14歳からの哲学 考えるための教科書

自分が存在しなければ、世界は存在しないんだ。自分が存在するということが、世界が存在するということなんだ。世界が存在するから自分が存在するんじゃない。…つまり。自分が、世界なんだ。(p.67)
自分を愛せる人でなければ、他人を愛することはできない。恋愛も同じだ。いや、動物としてのセックスがある分だけ、恋愛こそが試されることだ。(p.110)
「何のために生きるのだろう」数千年前から人類は、人生にとって最も大事なこの問いについて考えてきた。…それはどこに書いてあると思う?古典だ。古典という書物だ。…それらの言葉は宝石のように輝く、言葉は、それ自体が、価値なんだ。だから言葉を大事に生きることが、人生を大事に生きることに他ならないんだ。(p.134
人間はあらゆる思い込みによって生きている。その思い込み、つまり価値観は人によって違う。その相対的な価値観を絶対だと思い込むことによって人は生きる指針とするのだけれども、まさにそのことによって人は不自由になる。外側の価値観に自分の判断を委ねてしまうからだ。(p.170)
自分が、存在する。これは奇跡だ。人生が、存在する。これも奇跡だ。なぜだかわからないけども存在する自分がこの人生を生きてるなんて、なんて不思議でとんでもないことなのだろう。(p.183)
人生が存在することには、意味も理由もない…けれども、…その都度選択を迫られることになる。…自覚してみれば、一瞬一瞬が自分の自由による選択なんだ。…自分の選択、それ以外に基準はない。(p.189)