日本人の内と外

泰斗と達人が「日本人」について対談しています。お二人は対談を大いに楽しんでいます。過去の日本人論を三つに分類したのち、お二人の見解を述べ合っています。技術家や芸能家は出るが、大政治家は出ない、宮本武蔵は評価するが、徳川家康は人気がない。理由を、都と鄙から説明しています。室町時代は都に鄙を融合させたが、徳川時代は都と鄙を分けたとの見解で、それが今の「日本人」に大きく影響しているのだそうな。自身の知識不足、考察不足を痛感しました。備忘します。

明治以後70年は、農村をしぼって日本の近代化をしてきました。それから後の30年は都会をしぼり上げて、農村に多少の償いをした。…今度は農村か都会か、都か鄙かという論理ではなくて、都を豊かにすることが農村の利益になるんだ。都市住民の都市ではなくて、国民の年だというふうに考えるべきでしょうね…ページ121
朝鮮は。世界に冠たる儒教国家ですな。 では、日本はなに国家だというと、…仏教国家だともいえませんし、儒教国家だともいえない。…西洋といえば…キリスト教世界ですね。ページ152
…アメリカの国旗には意味と主張がある…フランスの旗を見ると、自由、平等、博愛…ソビエトや中国は人民の血と書いてある。日本の旗にはなにも書いてない…なにも主張していない…主張がないのは大変いいことなんだ…ページ156