人が育つ会社を作る

「部下を持たず成果を挙げた人の報酬として管理職のポストを与えてしまう…過去の実績だけを見てポスト与えてはいけない」…その通りですね。そしてポストを与えられた人はピーターの法則に従って滅びる、何度も見た光景です。備忘します。

欧米系企業がどのくらい人材育成に時間とお金を投資しているかを、日本の経営トップ知っておくべきだ。先般私は、モトローラルノーに直接出向いて、どのように人材教育に取り組んでいるかを調査してきた。その結果、両社とも、社長から新入社員まで含めた全社員の年間研修参加時間は、ほぼ40時間ということであった。日本ではまず考えられない時間の長さだが、欧米ではごく平均的な数字だという。ページ62
要するに「チャレンジングな仕事が日常的に与えられる環境にあり」、「コーチング的マネジメントスタイルがとられてていて」、「健全な成果プレッシャーがあれば」、その職場では若手社員が育ちやすいのだ。…成果主義だけ取り入れても、マネジメントスタイルが序列的、管理的のままでは成長実感は高まらず、人材育成には効果が表れないのである。このことは仕事やその与え方がチャレンジングであると同時に、上司のマネジメントスタイルがコーチング的であるからこそ、本人の成果意識も高まり、それが人事評価制度上に反映され、結果的に人が育つメカニズムが生まれると理解すべきだろう。ページ74
また評価される人間にとっては、客観性よりも納得性のほうが大事なのである。そして、それはフィードバックの仕方によって左右されると言っていいだろう。評価者は誰で、どんな情報に基づいて評価が行われているかがちゃんと伝わり、理解させることで納得性は高まる。逆に、そういう努力を欠いて単に客観的な数値を示してもダメなのですだ。ページ84
「効果がはっきりしないので研修などの人材育成投資をしない」ではますます人が育ちにくくなるという悪循環にハマってしまう。また「育成投資してもどうせやめてしまうから投資しない」と言っていたら、人が育たずその企業はやっていけない。人材流動化時代だからこそ、企業は思い切って人材育成のための投資を拡大すべきなのだ。効果が出なければ、効果が出る研修プログラムを開発する、というように発想を転換して欲しい。ページ89
管理職の登用については、過去の実績重視になっていないかどうか、注意が必要だ。年功によらない思い切った抜擢はいいが、その人の実績以外に指標がなく、その実績に昇進というポストで報いるというのは非常に危険である。よく成果の報酬は仕事だという言い方がされるが、これは一歩間違えれば、ポストがと既得権化してしまう危険性がある。つまり部下を持たず個人として成果を挙げた人の報酬として管理職のポストを与えてしまうと、育成能力の低い人を管理職にしてしまうことになる。個人の成果と管理職としての適性は、全く別物なのだ。だから管理職に登用する際には、コーチング行動や育成行動、自身の学習行動などの思考、行動特性があるかどうかをきちんとアセスメントしなければならない。間違っても過去の実績だけを見てポスト与えてはいけないのである。ページ195