凡事徹底

姿勢を正して読みました。平凡なことを非凡に続けることが大事なことだと腑に落ちました。「欠点は直らない、受け入れなさい」深い洞察です。…「欠点は放っておいていいですか」と聞かれますが、私は「放っておきなさい」と答えます。なぜかと言えば欠点を直そうとしても治ったためしがない。それを直そうというのは無駄な努力をすることです。どうするかというと、受け入れるんです… 備忘します。

凡事徹底 (活学叢書)

凡事徹底 (活学叢書)

…もともと仕事というのは、単純で単調です。退屈で見映えもしないやりがいのないものだと思います。ところが、それに耐えられなくて、単純、単調ではない、もっと派手な、やればすぐに成果につながる、すぐに儲かる、あるいは、人にすぐ認められ、すぐに評価されることをやりたくてしょうがなく、結果的には1つもいい評価につながらないという人が多いのです。ページ26
二宮尊徳が若い時に一軒のささやかな家を持つようになって、わずかながら田畑も持てた。その畑を耕そうとしたら、くわが壊れてしまったので、隣のおじさんのところへ、くわを借りに行ったところ、隣のおじさんは、今、自分も畑を耕して菜のたねをまこうとしているところだから、それが終わらなければ貸せないと言いました。その時に普通の人なら、それじゃ終わったら貸して下さいということで終わるのですが、尊徳はさすがに違います。「私が変わってその畑を耕しましょう、菜のタネも出してください、私がそれを蒔いてあげます」と言って、隣の人の畑を耕して、菜の種をまいてあげました。そうしたら隣の方は「これからは、くわに限らず何でも困ったことがあったら言ってきなさい。何でも用立てて上げる」といったのです。ページ19
会社で何が大事かというと、利益より社風を良く食することだと思います。社風が悪い会社で未来永劫良くなった会社はありません。社員というのは、命令規則、あるいは職務規定によって仕事をするということは絶対にありません。どんな会社でも厚い規則集がありますが、その規定によって仕事をしている人は1人もいません。ページ53
知識は使い方を知らないと意味がありません。今得ている知識をどう使うか、実践していくかが重要なわけです。私は常に何の背景も力もありませんでしたが、ただひたすら実践をして今日、自分の力以上に人様に仕事をさせていただけるようになりました。すべてこれは平凡なことを非凡に努力するということから始まったことだと思うのです。ページ68
整理、整頓、清掃、清潔などといいますが、それぞれ意味が違います。整理、整頓は仕事の能率、効率を高め、清掃、清潔は、仕事の質を良くするものですから、目的が違います。それをひっくるめて整理、整頓、清潔、清掃が大事だなどと口で唱えていても、まず身の回りから綺麗にしていくことが大事です。ページ86
…「欠点は放っておいていいですか」と聞かれますが、私は「放っておきなさい」と答えます。なぜかと言えば欠点を直そうとしても治ったためしがない。死ぬまで治らないのが欠点なんです。それを直そうというのは無駄な努力をすることです。だからといって、欠点を避けたり、遠ざけたりしたらいけない。どうするかというと、受け入れるんです。「この会社には欠点がない」と言ってはいけない。「あるけれどもいい会社だ」と言わなければならない。ページ123
井の中の蛙天を知るという言葉があります。…普通、井の中の蛙というのは馬鹿にしたり、卑下したり、いい意味に使われませんが、天の青さを知りたいと思ったとき、地球を一回りするより、井戸の中にいて、じっとしていたほうがよくわかるというんですね。井の中の蛙でも、志さえあれば天の青さ、天の深さを知ることができる。ページ138