幽霊画談

水木先生の画に感動しました。「おとろし」 神社の鳥居や古寺の山門の上にいて、不信心なものが下を通りかかると、それを戒めるためにどさっと落ちてくる。物理的な重さではないので押しつぶされることはないが、なんだか重いぞと感じるのである。そういう時は、「おとろし」のせいだと考えて間違いない。ページ130 備忘します。

菅原道真の怨霊 藤原氏が絶大な権力を持っていた頃、道真は藤原氏一門以外から珍しくも右大臣に抜擢された。そのことで藤原1族に憎まれて、謀反の嫌疑をかけられて太宰府に左遷されてそこで寂しく死んだ。…道真は怒って、ザクロの実を口に含むと炎の息に変えて吐き出した。まもなく御所の清陵殿の上に黒雲だ立ち、電が襲った。これこそ道真の怨霊である。昔の人は恨みを残して死んだ人は祟ると考えていた。ページ3
崇徳院 天皇の座を追われた上、四国に流されて死んだ崇徳院は、悔しさのあまり死んでも死にきれず、怨霊となって世の中に内乱や戦乱を巻き起こした。ページ14
オモカゲ 秋田県鹿角地方で、死の直前、その人の魂が知人の元を訪れて姿を表したり、下駄の音をさせたりする。つまり、生前の姿で、幽霊と違うのは、ちゃんと足が見えることである。ページ86
おとろし 神社の鳥居や古寺の山門の上にいて、不信心なものが下を通りかかると、それを戒めるためにどさっと落ちてくる。物理的な重さではないので押しつぶされることはないが、なんだか重いぞと感じるのである。そういう時は、「おとろし」のせいだと考えて間違いない。ページ130