戦略がすべて

面白い指摘がありました。「北海道は種々の理由から日本の縮図足りえる。…北海道で起きた事象は日本でこれから起こることの前触れと見ることができる。ページ123」あからさまな現実論で、現代資本主義はその通りですけど、それを言ってはオシマイかもね。良書です。備忘します。

戦略がすべて (新潮新書)

戦略がすべて (新潮新書)

タレントを個別に作って売り出すのではなく、複数のタレントを総括するシステム、すなわちプラットフォームを作り、そのシステムごとにまとめて売ろうというものである。…その象徴的な存在がAKB 48である。ページ17
その定義を述べておけば、プラットフォームビジネスとは、ほかの事業所にビジネスを行うシステム(プラットフォーム)を提供し、その場における取引量が増えると、その場を提供する事業者に利益が落ちるように設計されているということになる。具体的には古くはiモード、最近ではアップル、Googleなどが提供するアプリやサービス、FacebookやLINEのようなソーシャルネットワーキングサービスもDNAやクリアするゲームサイトもプラットフォームビジネスという。ページ26
…付加価値の源泉は、会社が所有している資本、すなわち、設備、ノウハ、ブランドといった「儲ける仕組み」であると考え方がわかりやすい。この儲ける仕組みを社員に貸し与えているかどうかが問題だ。ページ50
結局ビジネス全体を理解して、「資本=儲ける仕組み」に参加しない可能性の上限は限られており、経営者の気まぐれな労働分配率に対応せざるをえなくなる。コモディティー化された存在になって、いつまでも高額の報酬は望めない。ページ56
これらの事例が教えてくれることは、自分の属する事業のことを知り尽くして、かつ、新しい仕組みについてのアイデアを持てば、起業は成功する確率が高いということで、逆に言うと、そうした下地がないところで起業して成功する確率は極めて低いということだ。ページ89
勝つための良い戦略を立てるにはどうすればいいか。まず、どの度胸なら勝てるか極めて勝てる同様やらあまり欲張らなくても構造的に勝ちやすい場所選ぶことが何よりも重要ビジネスにおけるこうした同様のことは事業ドメインその上で爆笑できることを、決定的にあるそれは私の好きな言い方なので、大きなリターンを得る秘訣であるページ 96
選択と集中はハイリスクハイリターンのチャレンジ案件を潰してしまう。ページ111
とかく、トップは自分に賛同する人材で部下を固めがちだが、実は「異見」を取り入れることが質の良い意思決定を生むのである。ページ115
北海道は種々の理由から日本の縮図足りえる。以上のことから、実際に札幌は消費財のテストまで使われることが多い…このような視点から見ると、北海道で起きた事象は日本でこれから起こることの前触れと見ることができる。ページ123
多くのイノベーションは、ほかの異なる考え方を組み合わせることによって生まれる。そうなるとイノベーションを起こすための隠れた武器庫は、自分の知らない思考様式、学問体系、先端的な知識にならざるをない。…それでは何が「教養」か、極端に言えば、それは自分と異なる思想すべて、自分が普段、手に取らないような書籍、雑誌を読むこと、普段、自分が出会わないような人がいる場所に行く、そういったことがすなわち「教養」を得るということになる。ページ165