本田宗一郎「4つのルール」

本田宗一郎氏の秘書を長く続けられた方の思い出話です。不世出の事業家であり、型破りの生き方を羨ましく思い、自らの至らなさを痛感します。爽やかな生き方に憧れます。本を紹介してくれた本間さんに感謝。備忘します。

人間・本田宗一郎の素顔―モノづくり日本の原点

人間・本田宗一郎の素顔―モノづくり日本の原点

遊びたいから仕事をするんだ、というのが本田流でした。本気で仕事をしていれば、金なんか後からついてくる。本田さんにとっては、常に本気かどうかが、一番大切なことがあったように思われます。ページ51
…一応説明を聞いたあと、この損失費用を電気業者に請求しろというのです。申し訳ありませんでしたと謝れば、それで終わったと思う悪い癖が日本人にあるから、きちんとしたけじめの付け方を教えなきゃいけない、というわけです。私は仕方がないので、…損失を計算し、数十万円の請求書出しました。すぐに向こうが小切手を持ってくると、よしこれは確かにもらったとそう言え、といいます。ただこの話はここで終わりません。後日、そのもらった小切手を、相手も充分反省してるようだから返してこい、と本田さんに言われたのです。これには業者も本心から恐縮し、申し訳なかったと、本気で納得してくれたものです。ページ63
本田さんは、若い頃から遊ぶときには徹底してお金を使ってきた人です。しかし、どんなときもきれいにお金を使う、という基本を守り通してきました。本田さんが人生の中で遊びに使ったお金を数えたら、莫大な金額になるに違いありません。でも私はそんな本田さんを見ていて思いました。本田さんは遊びながらも月謝を払い、つまり生きたお金を使いながら、周囲にいる人たちにもお金の儲け方、お金の使い方の大切さを教えていたのではないか、身近で本田さんを見ていて、つくづく感じたことでした。ページ185