漂流怪人 きだみのる

著者、嵐山光三郎さん、まだ28歳の頃。きだみのるさんと7歳の娘さん、カメラマンとの日本部落周りの実話です。とんでもない博学、乱雑で、美食家で、破天荒なジジイとのやりとりは面白いを乗り越えて唖然としました。
きだみのるさんは、ファーブル「昆虫記」の訳者にして、民族学の研究者、戦中の旅行記「モロッコ紀行」は名著だということです。戦後「気違い部落周遊紀行」はベストセラーになり映画化もされたそうです。三島由紀夫開高健大杉栄、甘粕など歴史書に出てくる人たちとの交流に驚きました。作家、三好京三との確執は実に興味深いものがあります。久しぶりに本に引き込まれました。嵐山さん会心の作品です。妙に清々しいのはなぜでしょう?

漂流怪人・きだみのる

漂流怪人・きだみのる