読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

教養としての日本哲学

葉隠」「武士道」「共同幻想論」「善の研究」…誤読していたようです。日本の哲学の特徴をまとめた本です。勉強になりました。「なる」「従う」「結ぶ」「無になる」「清める」…日本哲学の基本を解説しています。また、重要人物、重要概念について概観できました。備忘します。

世界のエリートが学んでいる教養としての日本哲学

世界のエリートが学んでいる教養としての日本哲学

もともと神道は単なる自然崇拝でした。それが次第に仏教と肩を並べる日本の代表的な思想へと発展していたのです。海外から入ってきた仏教が事実上国教化される中、それでも神道が生き延びてきたのは、やはり他の宗教に対して神道が寛容だったからでしょう。ページ14
明治の啓蒙主義思想家たちは、あくまで西洋思想も紹介者に過ぎませんでした。しかし、京都学派の哲学者たちは、それを日本の思想と融合させ、全く新しい哲学を生み出したんです。ここでの工夫には目を見張るものがあります。それは西洋哲学と禅をみごとに融合させた西田哲学を見れば明らかです。ページ49
▼「なる」ーー運命に委ねる思想 それは今なお日本人が、「する」ことよりも「である」あるいは自然に「なる」ことを良しとして生きていくからに他なりません。ページ63
▼「従う」ーー私心を捨てる思想 自分が正しいかどうかではなく、自分が従うべきものに従うことが常に正しいとされるわけです。その局地が切腹です。ページ66
▼「結ぶ」ーーつなぎ合わせる思想 縁結びから相撲の結びの一番まで、私たちの日常生活の中でも、結ぶという字をよく見受けるように思います。実は私は、結ぶという発想も日本の思想の特徴をあらわしたものと考えています。その淵源は縄文時代にまでさかのぼることができるでしょう。ページ67
▼「無になる」ーーすべてを満たす思考 無限に大きな有生み出すにはそれ以上に大きな有が必要になるわけですが、無限より大きいということは考えられません。だから無こそが無限であり、すべてを満たす場所だという結論なのです。この場合はもはや有の対立概念ではなく、有を生み出す絶対的な場所という意味で絶対無と呼ばれるのです。ページ71
▼「清める」ーーリセットする 日本の場合、罪や穢れを消滅させるという発想ではなく、それを水に流して清めるべきだと考えます。だから今でも過去の罪やわだかまりを許され、よく「水に流す」という表現を使うのです。ページ72
▼「型を作る」ーー強度生み出す思考
▼「一体化する」ーーハイブリッドを産んだ趣向
▼「信じる」ーー思い切りやるための思考
▼「唱える」ーー物事を実現する思考
▼「一心不乱になる」ーー正しい道を貫く思考法ページ86
▼「感じる」ーーより多くを知るための思考法ページ86
▼「間をとる」ーー円滑な人間関係を築く思考法ページ89
▼「頼る」ーー信頼するための思考法ページ91
▼「発散する」ーーメリハリをつける思考法ページ93
▼「小さくする」ーー余韻を楽しむ思考ページ98
▼「雅やかにする」ーー時間にとらわれない思考ページ101
▼「簡素化する」ーー本当に必要なものを追求する思考法ページ103
▼「凝る」ーー妥協しない思考法ページ106
▼「筋を通すーー尊敬される思考法ページ108
人間が本来持つ感情に逆らうことなく、素直に従うことによってはじめて、人間らしい生き方ができるというわけです。宣長によると、「もののあはれ」を知る人こそ人の悲しみに同情し、共感できる人なのです。ページ185
確かに現代社会においても、神様時々やってくるというイメージがあります。だからその時だけお祭りをして迎えるのです。日頃、宗教を意識しない日本人にはとても納得のいく説明です。来訪神を軸に文化や社会制度をとらえる発想は、日本独特のものとして念頭においておくと良いでしょう。ページ191
そして「いき」を構成する要素として、「媚態」「意気地」「諦め」の3つ挙げています。「媚態」とは異性を目指して接近していくのだけれども、あくまで「可能的関係」を保つ二元的態度だと言います。「意気地」とは異性にもたれかからない心の強み。そして「諦め」とはこだわることなく、新たな関係を生み出すクールな態度です。ページが194