アメリカ素描

NHKプレミアムカフェ「アメリカ素描を行く」を視聴しました。2003年に制作されました。作家の司馬遼太郎が1984年から85年にかけて訪問したアメリカについての著作アメリカ素描」を辿った番組です。
司馬はウォール街を訪れ、資本主義の本質を探りました。アメリカ文明は他民族文化の融合です。アメリカの活力の源泉は、この融合、多様性にあります。
アメリカは「法」が主人の国です。国家成立ののちに法ができるのが普通の国ですが、アメリカは法が先にあって、それに従わせることで国ができています。
アメリカは民主主義を国是としています。リンカーン大統領ゲティスバーグの追悼演説が民主主義の理念を端的に表しています。法のもとでの平等と正義を目指しています。自分たちを守ってくれるのが司法、その司法を監視するのが市民という考え方です。
日米の蜜月は短いものでした。日露戦争ポーツマス講和交渉ではセオドアルーズベルト大統領の尽力により日本は助けられました。
ニューヨークの大発展を見ると人種の坩堝が活力の元であるようにみえます。911以後のアメリカは団結しましたが世界はバラバラになり、アメリカは嫌われるようにもなりました。日本はアメリカに対して何でもイエスと言うのは正しくありません。アメリカに追随するのではなく、むしろヨーロッパを真似するべきです。
21世紀の若者たちに一言。自分に厳しく人に優しく助け合うことが大切です。他民族へのいたわりがあれば世界中が仲良くできます。

アメリカ素描 (新潮文庫)

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