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不愉快なことには理由がある

「不愉快なことには理由がある」を読みました。橘玲さんの四冊目です。現在の日本を進化論で読み解いています。「言ってはいけない」ことを赤裸々に述べています。実に明快です。3年前のエッセイですが、米国のトランプ現象も正確に予想しています。これまで疑問に思っていたことが一刀両断で、サッパリしました。マクロでは予想できないがミクロではかなり予想できるそうです。国家の行く末は「複雑系」で予測困難だが、企業の行く末はかなりの確率で予想できそうです。備忘します。

特定の集団のなかで、お互いに相談しあってなにかを決めることはよくあります。こうした集団での決定を観察すると、そこに簡単明瞭な法則があることが知られています。それは「最初に自信たっぷりに発言したひとの決定に従うことと、一貫していてプレない主張を信じる」ことです。ページ92
日本に「強いリーダー」がいないのは、誰も望んでいないからです。これまで1000年以上にわたってそうたつたのだから、これからもたぶんずっとそうなのでしよう。ページ99
このように、ティーパーティーとウオール街を占拠する若者たちは、グローバル化のなかでの「中流の没落」という同じコインの裏表です。問題は両者の主張に妥協の余地がないことで、だとすればアメリカの分裂は歴史の必然だつたのです。ページ136
ユヌスは、「先進国でも途上国でも貧困は同じだ」といいます。シカゴのスラムでユヌスが見たのは、生活保護に依存して自尊心を失い、家族や友人もなく社会的に孤立した、バングラデシュとまったく同じひとたちでした。援助によって途上国の貧困が改善できなかったように、生活保護で都市の貧困がなくならないのも当然のことなのです。こうしてユヌスは、先進国の政策担当者にマイクロクレジットを導入するよう提言します。ページ157
むかしは「合理的」だった若者も年をとると「素朴な道徳」を好むようになり、厳罰が当然だと主張するのです。ページ190
元来に大きな可能性が待っているのに、わずか13歳で生命を絶っほど悲惨なことはありません。こうした悲劇を繰り返さないためには、すべての中学を民営化して生徒の獲得を競わせると同時に、退学処分の権限を与えればいいのです。ページ194
「5」「50」「150」というマジックナンバーは、それぞれ家族、親族、ムラといういき延びるのに死活的に重要な人間集団に対応しています。AKBは「58」や「68」であってはならず、「48」には進化論的な理由があつたのです。ページ220
ひと(とりわけ男性)は、地位が上がるとセロト二ンが分泌されて、ますますテンションが上がります。地位を失うとセロトニンもなくなって、うつ病になってしまいます。矢脚した政治家が自殺したり、すぐに病死したりするのを見ると、地位とセロトニンの仮説はけっこう説得力があります。ページ225
ところで日本の宝くじは、平均的な期待値が47円と恐ろしく低いことが特徴です。サマージャンボを3000円分買ったとすると、その瞬間に1590円が日本宝くじ協会によって差し引かれてしまいます。これほど割に合わないギャンブルははかにはないので「宝くじは愚か者に課せられた税金」と呼ばれるのです。ページ230