結論を言おう、日本人にMBAはいらない

「結論を言おう、日本人にMBAはいらない」を読みました。遠藤功氏の著作です。道南食品時代、「現場論」は私のバイブルでした。本書も随所に教訓がちりばめられており、楽しく、一気に読了しました。要するに、日本のMBAは、ダメだが、世界のMBAには有用なものもあるとの主張です。著者は13年間、早稲田大学WBS)で教鞭をとっておられたそうです。その間の苦労話は、身につまされましたが、本書は、先生の卒業論文、敗戦の記、反省の記かもしれません。備忘します。

結論を言おう、日本人にMBAはいらない (角川新書)

結論を言おう、日本人にMBAはいらない (角川新書)

ビジネススクールは「知解」の場にすぎない。しかし知識を詰め込み、頭でっかちになった彼らのなかには経営やビジネスがわかったと勘違いする人も多い。ページ80
すべてのビジネスは0からスタートする。企業とはまさに0から1を生み出す行為だが、そこには成功の方程式はない。ページ82
私にとって、ビジネススクールで「学んだこと」に大きな価値はなかった。しかし海外のビジネスクールで「過ごしたこと」が私の生き方に決定的な影響を与えたのは間違いない。これが私にとってのMBAの意味だ。ページ90
結論を言えば、日本のMBAはにはほとんど価値がない。ビジネスクルールがどんなに宣伝しようが、日本でMBAをとっても、劇的に人生が変わることなど期待できない。ページ94
未来を切り開くために必要なのは「分析」ではなく、「行動」であることを、身をもって証明している。この歴然とした違いを乗り越えない限り、MBAの価値が高まることはありえないのだ。ページ105
教える側からすると、サイエンス教えるのは比較的たやすい。過去の事例を単純化し、後付けの理論やフレームワークをもとに分析的に見せれば、もっともらしく聞こえる。これなら経験のない人でも教えられる。ページ118
経営学」を教えられる先生はいくらでもいるが、「経営」を教えられる先生はわずかだ。「戦略論」を教えられる先生は山ほどいるが、「戦略」を教えられる先生は滅多にない。ページ119
仕事ができる人は、どんな仕事も自分で面白くする工夫をし、楽しむことができる。一方、仕事ができない人は仕事面白くしようとする努力をしていない。仕事に、面白い、面白くないことなどない。面白くできる人と面白くできない人がいるだけだ。ページ179
私はビジネスモデルを価値創造の循環儲けの仕組みと定義している。企業は顧客にとって意味のある価値を見出し、それによって利益を上げる。さらなる競争力強化、成長のために再投資する。どのような価値を、どのような手段方法で生み出し、他社が真似できない独自の優位性を構築するのかを一つの循環として設計するのが、ビジネスモデルである。ページ208