財政破綻で儲ける方法

財政破綻で儲ける方法」を電子ブックで読みました。世界経済と日本経済の対談本です。長期的に「得」なことも短期的な「得」には勝てず、間違った判断をしてしまう。その人間の性質を理解しました。具体的には日本国債がいつか破綻するが有効な手立ては、ほとんどない、 というのが結論です。生涯現役で稼ぎ続けるしかありません。備忘します。

グロ ーバル経済を使って 、ものすごい博打を打って 、自分たちは " T o o B i g t o F a i l "だから 、大失敗したときのリスクは全て納税者に押し付けつつ 、自分たちはいいとこは取れる 、というような仕組みが作られていったわけですよ 。だからすごいモラルハザ ードなんです 。ページ9%
日本の銀行が取っている万が一のリスクは 、銀行が負担するのではなく 、なんだかんだで国全体で負担することになる 。たとえば三菱東京 U F J銀行とか三井住友銀行とか 、つぶれたら日本も大変だから 、国債も大変だし 、政府が税金で救済しますよね 。そういう意味で 、隠れた補助金というか 、倒産リスクとかそういうのを国民に押し付けながら自分たちはビジネスをしているわけですよ 。ページ17%
ヘッジファンドは悪者に言われることが多いですけど 、公的資金が注入されたとかももちろんないですし 、金融危機でつぶれるときは勝手につぶれていって 、別に大騒ぎにはならなかった 。大きすぎる金融機関は規制で規模を制限して 、リスクテイクの役割は 、ヘッジファンドなどがやっていけばいいんです 。ページ30%
でも根本的な問題は 、大きすぎてつぶせないという銀行は 、つぶせないんじゃなくて 、小さくすべきだ 、ということなんですよね 。それがこの本のメッセ ージですね 。ページ37%
財政破綻すると 、インフレが起きて 、老人の預金が消滅して 、若者が過去の借金を返すために重税を課されることもなくなる 、ということも貨幣中立説とか貨幣数量説の理想化された世界の中では起こりますね 。まあ 、それだけですまないですよね 、やっぱり 。貨幣の信用がなくなると 、経済が回りませんからね 。ものすごく日本の経済活動が劣化するでしょうね 。ページ49%
この時間非整合性というのは 、人類の永遠の問題です 。ル ール違反を処罰するのは 、処罰する方もされる方も損するので 、事後的には水に流したほうがいいのです 。しかしそれがわかっていると 、モラルハザ ードが起きてしまうので 、応報感情が遺伝的に埋め込まれている 。これは実験が行なわれ 、世界のどの民族でも 「悪い奴はこらしめるべきだ 」と考える 。ページ56%
メディアに限らず 、個人がビジネスをするインフラっていうのは 、どんどん整ってきていますよね 。それはインタ ーネットに負うところが大きいんですけれどもね 。あと 、僕が思うのは 、個人という単位は 、インセンティブの構造としては 、非常に健全なわけですよ 。個人メディアとか 、ヘッジファンドって 、テ ールリスクを社会に押し付けたり 、コストを他人に転嫁したりできないですからね 。レントシ ーキングもできない 。ページ72%
財政破綻すると 、いま一番いい目見て 、負担先送りしていると思ってる年金生活者が一番困るんですよ 。年金がインフレで実質的に激減するとか 、最悪の場合は財政が破綻して支払われなくなる 。ほかに稼ぐ手段のない年金生活者は困る 。ページ82%
基本的には政府が経済に関与する部分を減らしていくしかないと思います 。それは新自由主義とか市場原理主義とかいうイデオロギ ーの問題じゃなくて 、政府に依存することでかえって格差は広がってしまう 。いまの日本がいい例で 、政府に払ったよりたくさんもらえる老人と 、政府にぼったくられる若者の格差が拡大している 。ページ96%