ネット炎上の研究

「ネット炎上の研究」を読みました。ネット炎上は、2013年がピークで、最近は若干減っているそうです。年間400 件ほど「荒れる」そうです。炎上を起こす人は、0.5%に過ぎず、また年収も高いとは驚きです。フィットネス業時代に対峙したクレーマーと非常に良く似てます。誤った正義感、過度な他責意識、被害妄想など共通してます。
30年ほど前にパソコン通信アスキーでチャットしてました。時折、言い合いになってるのを何度も割って入りました。書いてる人は、最先端技術の使用者の誇りがありました。ある程度、身分や研究内容までわかりました。それが抑止力になっていたのでしょう。炎上は、皆で止めてました。インターネットがもともと学術ネットワークだったので個人の情報発信力が強いからだそうです。
昨日、Twitterに1年ぶりに書いてみました。もう、炎上しても捨てるものはないし、怖いものもないので、気楽に書いてみました。自分が怖い。備忘します。

ネット炎上の研究

ネット炎上の研究

ラインは、急激にユーザー数が増え、…おおまかにまとめるとブログ・ツイッターからFacebookに、そこからLINEにという道が見られることになる。…ひとつの要因では説明できない。しかし、1つの要因として、人々が炎上しやすいメディアを避け、炎上しにくいメディアに移動しているという理解が可能である。ブログ、ツイッターよりはFacebookの方が炎上しにくい。Facebookは知っている友人間でのコミュニケーションが主であり、ツイッターでのリツイートのように情報拡散力が乏しいからである。さらにLINEはメンバー 完全に固定して閉じているので炎上とは無縁である。人々は、炎上に代表される「荒れ」を嫌い、社会への情報発信から撤退していると解釈することができる。ページ79
炎上の社会的コストは情報発信の萎縮である。炎上すると極端で攻撃的な言葉が殺到し、議論が不可能になってアカウントやブログの閉鎖など、議論の場から撤退することになる。一方的な攻撃は人々を傷つける。何度も炎上事件を見ると、炎上嫌ってそもそも情報発信を諦める人が多くなる。ページ98
以上の結果から、炎上に積極的に参加している人は、年収が多く、ラジオやソーシャルメディアをよく利用し、掲示板に書き込む、インターネット上で嫌な思いをしたことがあり、非難しあっても良いと考えている、若い子持ちの男性であるといった人物像が浮かび上がってくる。ページ112
…まとめると、炎上事件に伴って何かを書き込む人はインターネットユーザーの0.5%程度であり、1つの炎上事件では0.00X%のオーダーである。人数に直すと1つの炎上事件あたり数千人程度と見込まれる。これでこのうち9割以上が一言感想述べる程度であって、当事者に直接攻撃する事はない。複数回で書き込みをして直接攻撃の予備軍と考える人はこの中の数%であり人数にすれば 数十人から数百人程度である。ページ137
炎上はごく少数の、それも固定した人が起こしている。ページ139
SNSにおける炎上抑制の方法として、一番簡単なのは、SMSにメンバーシップ制を採用してとしてしまうことである。LINEとFacebookがその好例で、LINEは完全に閉じているので炎上とは無縁であるし、FacebookFacebookを利用していない人は書き込めないので、比較的平穏が保たれる。いずれもSNSの外側にいる個人からの情報発信を遮断するのが、ミソで外部の個人の情報発信力を抑えることで炎上抑制する。 しながらその代償としてそのSNS自体の情報発信力が著しく低くなるという問題がある。LINEは全く外部に発信しないし、Facebookの情報発信力は低い。ページ182
上の原因は、インターネットでの一個人の情報発信力がそもそも極めて強い点にある。だれでもが何万人の読書を得ている他者の交流の場に乗り込み、その何万人を相手に強制的に情報発信ができる。そこでどのようなふるまいをしても、相手はこれを拒否できず、交流の場を閉鎖する以外に止める方法がない。通常のコミュニケーションとしてありえないような強さを万人が持っているのが炎上の真の原因である。インターネットはこのような仕組みなのは、もともと学術ネットワークだったからと考えられる。ページ208
プロバイダ責任制限法は、情報の流通によって権利侵害があった場合において、プロバイダの損害賠償責任範囲と発信者情報の開示を請求する権利を明瞭にしたものである。…しかしながら炎上が平均して一日一回以上起こっていることを考えると、プロバイダ責任制限法による心理的負担軽減効果はあっても、援助抑制効果小さいと考えられる。またプロバイダによる権利侵害の有無の判断が難しいという問題でもある。ベジ219
「サイト別ネット中傷、炎上対応マニュアル」(2015 年清水洋平著)は、画期的であり削除依頼や開示請求の法的根拠を簡単に述べた後、削除依頼や裁判手続の具体的なやり方について、画像や文例を用いて記載している。また炎上予防対情報についても記載されているほか、35の主要個別サイト別に具体的な削除依頼方法を画像付きで載せている。もちろん実際に炎上対象者となってしてしまった人は、ぜひこの本を参考にしていただきたいところである。ページ223