島耕作の農業論

島耕作の農業論」を読みました。ロボットやIoTと農業の関係や現場を知るための読書です。まずはこの「島耕作…」から読みはじまました。元ローソン社長の新浪剛史さんとの対談は読みごたえがありました。経営者の農業に対する見方を代表しています。政治家、官僚の思惑、JAの関わりがよくわかりました。また食料自給率がカロリーベースと販売ベースがあることも初めて知りました。就農者の高齢化や放棄地の問題も詳しく知ることができました。基本レクチャーをしてもらいました。備忘します。

島耕作の農業論 (光文社新書)

島耕作の農業論 (光文社新書)

日本の農業がマーケッティングインから離れてしまったのは、補助金の影響も大きいですね。農業は大変な仕事だからみんなで守らないといけない、といった考えがある。でも農業に限らず個人事業主や中小企業の経営者は誰からも守られていない。みんな生きるか死ぬかでやっているのに、農業だから守られているというのはちょっとアンフェアではないかと思うのです。ページ31
大事なことは「適地適作」。飼料米は近くに畜産の拠点がなければ、物流費だけで採算が合わなくなる。農家は現実的に対応するはずです。飼料米に限らず、大豆、とうもろこしなど今までいい加減にやっていた。「適地適作」を進めれば、十分に競争力を持つ。国産ニーズがあることは、よくわかっています。ページ34
企業が農地を保有すると資本効率が低くなる。だからリースで充分。農地の売買を自由にすべきだという主張にはくみしません。ページ38
スケールを大きくすることを追い求めると大手には勝てません。勝てないことはやらないほうがいい。小さくて強い農業とは、小規模、小資本であるけれど、それを強く支持してくれるお客さんとつながっていることです。ページ194
農業ってクリエイティブだし、ものづくりとして面白いんです。人間は光合成を再現することはできないので作るといっても、できることといえば、作物のために環境を整えるだけなんです。でも、そんな本質的な部分に関われないところに面白さがある。ページ204
ベンチャー企業は、創業3年以内に90パーセントが潰れるとよく言われます。それに比べれば農業はずいぶんいんじゃないですか。ページ190