儲かる農業

「儲かる農業」を読みました。副題は「ど素人集団の農業革命」です。北日本食品(ブルボン)の営業マンが長野県の佐久で農業を初めて、カンブリア宮殿に出演できるほどの成功を収めた話です。生産は100点満点で良いが、営業は、その倍の200点満点でなければならないという農業です。契約栽培を中心に契約遵守(納期、数量)を旗印に信用を勝ち得て成功した物語です。農業に営業要素をプラスしたわけです。社員は独立志向の高い人たちで構成されています。現代ののれん分け制度といってもいいと思います。だからよく働くのかもしれません。農業法人は土地を借りるので、小作制度の復活だと言っています。なかなか面白いです。備忘します。

儲かる農業―「ど素人集団」の農業革命 (竹書房新書)

儲かる農業―「ど素人集団」の農業革命 (竹書房新書)

どうしたら、売れる野菜ができるか。その答えは、顧客が欲しがっている野菜を調査し、タイムリーに生産することである。この当たり前のことを前提に農業をビジネスとして考えれば、予め取引先と契約し、先方のニーズを的確に把握することが非常に重要になる。ニーズが明確になれば、そのニーズを満たす野菜を生産するべく全力を投入できるからである。ページ43
従来の農業は農作物を作り、できたところで「さあどう売ろうか」という考え方だった。だが、トップリバーでは、まず営業が契約をまとめてきて取引数量、取引額、納入時期が決まる。その契約に基づいて生産計画が作られ、達成するための方策を生産部門が必死になって考える。ページ51
契約栽培に限らず、どんなビジネスでもそうだが、契約を守るのは当然のことである。契約遵守は、信頼関係構築の基本中の基本だ。基本契約を死守するという覚悟でいれば、その思いは必ず相手に伝わる。トップリバーは契約を守る会社ということで信頼ができ、そこから商売が広がってことも少なくない。ページ70
誤解しないでいただきたいが私は有機栽培が悪いと言ってるわけでも、糖度の高い果物を作ることが悪いと言ってるわけでもない。それは作物の商品価値を高める重要な要素になることは十分に理解している。にもかかわらず勘違いだというのは良いものとは自分たちが決めるものではなく、買う人が決めるものであるからだ。有機栽培が良いもの、糖度の高いものが良いものと言ってみても、それは所詮こちらの言い分に過ぎない。相手がそれに価値を認めなければ良いものとはならないのである。ページ109
人材育成、それこそがトップリバーと他の農業生産法人を隔てる最大の違いであり、私が最も力を注いでいることなのである。ページ133