コロンブスから始まるグローバル社会1493

コロンブスから始まるグローバル社会1493」を読みました。コロンブスがアメリカ大陸を発見したことで、動植物や微生物の移動がおきました。名付けて「コロンブス交換」です。この「コロンブス交換」が世界史に与えた強烈なインパクトを分析しています。例えば中国やヨーロッパの人口増加は、アメリカ大陸のトウモロコシやジャガイモ、サツマイモの移転が大きな原因だそうです。インカ帝国の滅亡は、ヨーロッパやアフリカの伝染病の影響が大きいそうです。アメリカ大陸にはミミズもいなかったとか。特にアフリカ人、アジア人が移住することよって、メキシコで人種の混合が起きグローバル化が世界で初めておきたと指摘しています。また近代農業は鳥のフン、グアノから初まったとは驚きです。単一植物に頼る危険性も理解できました。とにかく歴史の見方が一変しました。良書です。備忘します。

1493〔入門世界史〕

1493〔入門世界史〕

西アフリカと中部アフリカ出身の成人のアフリカ人こそが、労働力確保の解決策だった。彼らは地球上の誰よりもマラリアにかかりにくかったのだ。それは現在でも変わっていない。ページ81
マラリア奴隷制を誕生させてたわけではない。しかし、マラリアは、奴隷制が必要とされる経済状況作り出す主因となった。たばこプランテーションの経営者は、アフリカ人がマラリアに免疫があると知っていて、彼らを利用したわけではない。初期の奴隷所有者が、マラリアへの抵抗性について何かを知っていたという証拠はないのだ。ページ82
人口が増加した地域の大半は、アメリカ大陸産の作物の栽培に当たっていた。新政府に中央部へ移住させられ者達も、飢えるわけにはいかない。彼らは来る日も来る日も、サツマイモととうもろこし、じゃがいもを食べ続けた。中国が世界一の人口を誇るようになった理由の1つには、やはりコロンブス交換が挙げられるのだ。ページ129
じゃがいもは同じく農業にも広範な影響与えた。ジャガイモの採用により、ヨーロッパと北米は大規模な近代農業、つまり、しばしば「工業型農業」と呼ばれるものを樹立したのが。ページ140
サツマイモととうもろこしの渡来により、中国の人口が爆発的に増えたように、じゃがいも導入から100年後には、ヨーロッパの人口は約2倍になった。ページ149
グアノの使用が、近代農業のモデルとなった。つまり、袋に入れられた栄養分を、畑にどさっと撒けばよくなったのだ。その栄養分は外国から船で運ばれてきたり、遠くにある工場で製造されたにしたものだ。農業とは、こうして入手した栄養分を畑に投入して収穫する、という行為になった。大量の窒素入れる。すると大量のとうもろこしやジャガイモは出てくるというわけだ。ページ155
スペインが中国と結ばれ、イタリアが日本と結ばれ、交易と秩序において、ついに世界は1つに結ばれる。メキシコシティーは、史上初の21世紀的都市ともいえるだろう。グローバル化された現代的な巨大都市の先触れだったのだ。ページ208