超文章法

「超文章法」を読みました。副題は「伝えたいことをどう書くか」です。新しい本だと思って購入しましたが、出版は2002年で13判を数えるベストセラーでした。いちいちごもっともです。当時はまだパソコンで文章を書くことが常識ではなかったようで笑えました。ウェブライティングの基本にあたることがたくさん盛り込まれていました。勉強になりました。備忘します。

「超」文章法 (中公新書)

「超」文章法 (中公新書)

文書の目的は読み手を感動させることではない。読者を説得し自分の主張広げることだ。そのためには、内容が有益であり、読者が興味を持って読み始めものでなければならない。さらに、容易に理解可能なものでなければならない。つまり、目的は、「ためになり、面白く、分かりやすい」文章だ。こうした目的のために、マニュアルが果たす役割は大きい。ページ4
第一は、メッセージの明確化だ。「メッセージ」とはどうしても読書に伝えたい内容である。それは、一言で言えるものでなければならない。文章が成功するかどうかは、8割がたこの段階で決まる。第二は、骨組みの構築だ。ページ6
「面白いかどうか」は、食べ物で言えば「おいしいかどうか」である。論述文における面白さは、多くの場合、謎解きと発見の面白さだ。つまり、好奇心を呼び起こし、それを満たしてくれることである。ページ43
一文一意主義が良いと言われる。賛成だ。私は、もう少し進めて、一パラグラフ一意主義をとるのがよいと思っている。つまり、ひとつのパラグラフに異質な内容盛り込まないほうがよい。ページ90
始めが重要なのは読者を惹きつける、読んでもらうためだ。読む価値があることを、始めの数行で読者にアピールする。読者を感激させるも何も、読んでもらえなかったそもそもどうにもならないのだ。ページ100
文章の終りが重要である。最後から読む人もいるからだ。また、読者の印象は、最後の箇所に依存するところが大きい。ページ114
普通の叙述では、まず具体例を述べ、「これを一般化すると、次のようなことが言える」とするほうがわかりやすい。特に、一般化した命題があまり知られてない場合は、そうである。ページ130
「私は」と書いてある論文は信頼できることが多い。ページ139
文章読本は「削って削って削りまくれ」と述べている。このアドバイスは多くの場合に正しい。削りまくった結果何も残らないとしたら、メッセージがない証拠である。ページ163
一つの、パラグラフの中で論理を反転する接続詞が現れるのは、望ましくない。これらの接続詞は、パラグラフの先頭に来るのが良い。ページ171
私が特に目の敵にしているのは、「さらなる」だ。「一層の」とい意味で使われているのだがこれは誤用である。ページ220
始めれば完成するというのは全く魔法のようなものである。しかし、経験してみればわかるとおり、多くの場合に真実である。ページ230
以上のことを、「現役効果」と呼ぼう。仕事開始、その仕事に関して現役になっていれば、外界からの刺激に反応する度合いが強くなるのである。ページ232