5000年前の男

「5000年前の男」を読みました。1991年にアルプスの標高3000メートルの氷河の中から5000年前のミイラが発見されました。そのときに立ち会った考古学者の手記です。はじめは殺人事件捜査として現場検証。次に中世の遭難者、調べてみたら何と5000年前の新石器時代の人間でした。皮膚や臓器が残っているばかりでなく、矢や青銅製の斧、袋、服や靴日本触れた箇所はひとつで、スズキ自動車が便乗商法を試みたことです。まるで犯罪調査を行うような類推や論理で、真実に迫ろうとする著者の筆力に驚きました。考古学者の書く文章とは、とても思えませんでした。誰にすすめられて私の蔵書の中に長く眠っていたか忘れましたが、推薦してくれた方に感謝です。「限界費用ゼロ社会」に描かれていた未来の生活は、この新石器時代の生活に戻ることなんだと納得しました。備忘します。

5000年前の男―解明された凍結ミイラの謎

5000年前の男―解明された凍結ミイラの謎

新石器時代の村では、各人が当時の知識を全て持っており、日常の作業に必要な能力、技術。技能を全て備えていた。狩りもできれば採取も漁労もできた。工作もできれば、家畜の世話も、家を建てることもできた。陶器も食事も作れたし、必要な道具類も製作できた。村社会の規模にあった行動態度をとり、習慣・儀式を心得ていた。新石器時代のこうした広範な知識能力は、彼が当時どのような仕事に従事していたかを考えるときに、忘れてはならない。ページ275
…日本のスズキ自動車は特別モデル「エッツイ」を売り出した。発売開始は9月だったから、これはエイプリルフールでもなんでもない真面目な話だ。宣伝コピーはこうだ「エッツイは、自主性を大事にする人向けの車。どんな天気でもへっちゃら。日光も雨も、雪も氷もなんのその。両サイドとボンネットには特別な装飾。価格2万8,900スイスフラン。ページ362