ファウスト 第二部

ファウスト 第二部」を読みました。第一部の結論が最後に待っていました。「時よ、とどまれ、おまえはじつに美しい」と呼びかけるシーンで思わず感動してしまいました。ギリシャ神話やローマ帝国の知識が不確かな私には難しい内容でした。ヘレナについてはネットで調べてしまいました。それにしても現代経済(貨幣)は錬金術の一種であることがよくわかりました。紙幣の輪転機グルグルまわして経済を良くする… 仮想通貨も同じ土俵にあることを認識しました。備忘します。

ファウスト〈第2部〉

ファウスト〈第2部〉

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知りたいと望む全てのものに告げる。この紙片は1,000クローネの価値がある。皇帝領内に埋もれた無尽蔵の宝が保証する。すぐにも掘り出して兌換に充てる用意がある。ページ67
老いというのは冷たい熱病であって、ただブルブル震えている。30を超えたら死んだも同じで、打ち殺すのが一番いい。ページ106
世の中をかけ通してきた。欲望の赴くところの前髪をつかみ、気に入らなければ放り出した。逃げる奴はそのままにした。ひたすら望んで、それをやり遂げ、さらに望んで、生涯を貫いてきた。はじめは猛々しかったのが、次第に賢明に、思慮深くなった。地上のことは十分に知った。天上のことは知るべくもない。天上に憧れ、雲の上の仲間を求めるなどは愚かしい! しっかりと地に足をつけ、まわりを見廻す。その気さえあれば、世界が黙ってはいないのだ。永遠を求めてなんになろう。認識したものをこそ手に取れる。この世の道をどこまでも辿ってゆく。あやかしが現れようと、わが道をゆく。求める限り苦しみがあり、幸せがある。一刻も満ち足りることはない。ページ337
…自由な土地を自由な人々と共に踏みしめたい。その時こそ、時よ、とどまれ、おまえはじつに美しいと、呼びかけてやる。この自分が地上にしるした足跡は消え失せはしないのだ。身を焼くような幸せの予感の中で、今この上ない瞬間を味わっている。ページ342