マンガ般若心経入門

「マンガ般若心経入門」を読みました。般若心経とマンガに関連が薄いように思います。老荘思想に近い内容になっています。ようするに「般若心経」は全てが「空」であるから全ての「欲望」を認める、でも欲望は虚しいもので満たされることはないと解釈しています。「善人なおもて往生遂ぐ、いわんや悪人おや」親鸞大乗仏教の大元だと理解しました。読みながら手塚治「ブッダ」の悟りのシーンを何度も思い出しました。買収が失敗して、10キロの体重減、前歯が欠け、不眠に悩まされていた頃、この「般若心経」を耳元で毎晩唱えてくれた妻に感謝します。ようやく眠れました… 備忘します。

新装版 マンガ 般若心経入門 (講談社の実用BOOK)

新装版 マンガ 般若心経入門 (講談社の実用BOOK)

この宇宙に存在するありとあらゆる物と打ち解け、それらとの間に壁のない境地。自分、他人という意識差別は毛頭なく、宇宙が自分で、自分が宇宙そのもの。そんな並外れた境涯を生きていく。この茫洋として計り知る知ることのできない大きな心の世界を空と名付ける。ページ30
 今この時を行きなさい。過去や未来という足かせを外し、自分を解き放ちなさい。ページ41
大乗仏教界はますます活況を呈する。何せ我々人間にとって最も生きる原動力となる欲望を肯定しながら悟りを目指す躍動的な教え。人間存在を丸ごと認め、何者も否定しない晴れ晴れと朗らかな仏教であってみれば、坊さんはもとより、商人、農民、また商業者など一般人に大歓迎される。ページ92
 玄奘はまた三蔵法師という名前で西遊記の主人公としても知られる。ちなみに、仏教のお「経」と「教団規則」と「論文」を合わせて三蔵といい、三蔵法師とはこれら仏教の本に精通した坊さんのこと。玄奘はその代表的な一人から、一般に三蔵法師と言えば彼を指す。ページ101
般若とは智慧のことで、波羅蜜多、すなわち「彼岸に至る」という意。ページ104
浮世のすべてのものはすこぶる壊れやすいと般若心経は考える。…何もないというゼロの立場に腰を据えて泰然としていたまえ。浮世の流れる様を川岸の大地に立って悠然と眺めたまえ。ならば安らぎの境地で人生を送れよう。ページ117
 釈迦が木陰で心静かにこの世の道理に思いを致したことが仏教の始まり。その最ももとになる考えは「縁起」と呼ばれるもので、これは物事にはなんでも原因があるという、すこぶる理にかなったものだ。この道理を使えばすべての問題は解決する。…つまり、その原因を突き止めそれを除去しさえすれば、あたかも雪だるまが日光に当たると溶けてなくなるように、どんな大きな悩みでも必ず消滅する。これが「縁起」の道理から生まれた「苦集滅道」と言われる悩み解決法で「四諦=四つの心理」とも呼ばれるものだ。ページ158

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