超独学法

「超独学法」を読みました。「超整理法」の野口悠紀雄氏の最新刊です。78歳にしてその意欲、探究心、驚くべきスーパーおじいちゃんです。彼の「独学」に対するうんちくを述べています。独学は、日々の積み重ねで継続が難しいことは自明ですが、目標や意欲があれば、学校や教室に通うより効率的だと言っています。自分の能力を信じることが大事だと感じました。また英語の学習法に大きなヒントを得ました。すなわち、シュリーマンの外国語習得の基本は「丸暗記」、それが一番効率的な学習法だそうです。備忘します。

毎日最低一つは、新しい言葉を述べること調べること。これを習慣にしよう。これは独学の第一歩である。この場合に重要なのは、疑問に思ってることを放置せず、調べようと思うことだ。そしてです、すぐ調べることだ。すぐにできなければ、調べるべき言葉を、忘れないようにメモしておこう。ページ36
新聞の見出しを、毎日チェックしよう。必ずしも本文を読まなくても良い。しかし、見出しは、特に大きな字の見出しは、毎日必ずチェックする。ページ37
時代の変化が激しければ、独学を続けない限り、最先端には追いつけない。…また、大きな変化が起これば、これまで誰も手をつけていない世界が広がる。そこで新しい事業を起こすには、独学で身に付けたノウハウで手探りでするしかない。ページ70
…今なら、ウェブにもかなり依存しただろう。そのほうが効率的だ。ただし、ウェブの記事は玉石混合である。そして、学び始めた者には、質を評価しにくい。だから、今やるにしても、ウェブに完全に依存するのではなく、百科事典に依存する方が良いと思う。ページ78
新しい知識を得ることが必要だ、そして、それは独学が最も効率的だ。勉強するのは若いときのことであると考えてる人が多い。しかし、これからは高齢者の独学が重要な課題になる。高齢者は、それまで得た知識の取得を保有しているわけだから、新しい知識を吸収し、それを解釈し、それを活用すること、若い人よりは容易にできるはずである。ページ100
カリキュラムを自分で組むのが難しいと考える人はMOOCsのオンライン講座を利用したらよいだろう。ページ128
勉強を進めるためのインセンティブの基本は、向上心だ。これが勉強の原点だ。あからさまに言えば、「勉強して自分の社会的地位を向上させたい」という意味だ。ページ138
知識を増やしたければ「教えよ」と言われる。これは正しいと思う。人に伝える、教えることは勉強の強力な牽引力になる。ページ146
独学では、知りたいことを自分で決める。つまりプルしなければならない。したがって、何をプルするかということが重要になる。つまりカリキュラムを自分で作らなければならない。ページ156
(独学においては)私が強調したいのは、途中でわからないところがあっても、とにかく「全体を把握せよ」という勉強法だ。とにかくできるだけ早く山頂に登る。…部分を積み上げて全体を理解するのではなく、全体を把握して部分ご理解するのである。ページ164
これからの社会で必要になるのは、、、実力を高めるための勉強である。…では武器とは、具体的には何か?…外国語、特に英語である。これはどんな分野でも必要とされることだ。ページ172
外国語勉強する方法は、シュリーマンが言ってることに尽きる。つまり文章を丸暗記するのである。単語を孤立して覚えるのではなく、文章として覚えるのだ。ページ180
英語に関して多くの人が陥っている大きな誤りは、英語を流暢に話せるようになりたいと考えることだ。しかし、実際には正確に聞けることの方がはるかに重要である。…ページ183
聞く練習に集中すべき理由は、正確に聞くことができれば、ほぼ自動的に話せるようになるということだ。ベージュ184
AI時代において重要なのは、「私が知りたいことは一体なんなんだろうか?」、あるいは「私がすべきことは一体なんなのだろうか?」ということである。これこそ知識の探求ということに於ける、最も重要な課題である。そして、それは、その人がそれまで習得した知識と問題意識によって決定されることだ。「何を知るべきかという方向を決める事」、これこそが最も重要な課題だ。これはAIによっても解決できない問題だ。ページ228